企画編16「実は~だった!どんでん返しからストーリーを作る」 第18回ウォーターフェニックス的「ノベルゲーム」のつくりかた
第18回 企画編16「実は~だった!どんでん返しからストーリーを作る」
執筆者:企画担当 ケイ茶
他の会社さんや、個人のクリエイターがどうやってノベルゲームを作っているのかはわかりません。
ここに書かれているのは、あくまで私達「ウォーターフェニックス」的ノベルゲームのつくりかたです。
企画編一覧はコチラのページにまとめてあります。
ケイ茶です。
今回からは数回に渡って私なりのストーリーの作り方を紹介していこうと思います。
最初は、
どんでん返しからストーリーを作ってみよう
私が好きなストーリーの作り方の一つ。
「どんでん返し」から作るという方法です。
「どんでん返し」⇒「~だと思っていたら~だった!」と書けば一番わかりやすいと思います。
ストーリーの作り方に困ったらまずは「どんでん返し」から作ってみることをお勧めします。
私は「どんでん返し」が大好きな人なので、この方法はよく使っています。
「どんでん返し」からストーリーを作る
<例>
とにかく読者(プレイヤー)を「驚かせる」のがどんでん返しの宿命。
王道的なものとしては
「悪だと思っていたのが善だった」というどんでん返し。
ストーリーとしては、今までずっと敵対していた主人公側の敵だと思っていた人物が、実は!主人公を救おうとするために主人公の行動を邪魔していた。
敵ではなくて、本当は主人公の事が大好きで、主人公のやる事を邪魔したくない。
でも、邪魔をしないと主人公が酷い目に合う事を知っているから邪魔をしていたんだ!
これを知った読者は「そうか。今まであいつは敵として邪魔をしていたと思っていたけど、実はそれは主人公のためだったのか!」
と驚くわけです。
驚かせる事が出来たらどんでん返しは大成功です。
どんでん返しを作るのは本当に簡単。
「●●だと思っていたけれど、実は△△」だった。これだけです!
この「どんでん返し」は本当に色々なジャンルや媒体で使われています。
先ほどの「敵だと思っていたら味方(主人公を助けていた)」も実際に幾つもあります。
今、ぱっと思い浮かべてみてもあるんじゃないでしょうか?(私も書きながら、ある作品が浮かびました)
あとは、ぱっと思いつくのを書いてみると
・「主人公だと思っていたら、主人公じゃなかった」
・「犯人だと思っていたら犯人じゃなかった」(探偵ものはこれが定番ですよね)
・「死んだと思っていた人物が犯人だった」(ある有名ゲームがこれでした、あと、あの有名映画もコレですね!)
・「人間だと思ったら人間じゃなかった」
・「生きていると思ったら死んでいた」
等いろいろあります。
ただし「どんでん返し」を使う上での注意点があります!
1.プレイヤーに●●だと思わせる事。
「●●だと思っていたら、実は△△だった!」
これが基本形なのですから、●●だと読者に思わせておかなければいけません。
だって、人間だと思っていたら実は宇宙人だった。
というストーリーを作る場合。
「どんでん返し」を成功させ、驚かせるためにはプレイヤーに宇宙人だと最初からバレたら意味が無いですよね?
=登場の時から明らかに宇宙人っぽい行動を取っていたらバレバレで、どんでん返しにはなりません!
2.しっかりと事前に情報を(さりげなく)出す事!
上の宇宙人の例でそのまま説明します。
明らかにバレバレな宇宙人の行動はいけませんが、ただし(ここ重要!)さりげなく「本当は宇宙人」という情報を入れましょう。
例えば、やけにUFOや宇宙人に詳しかったり、帰宅中に突然いなくなったり。
後で「実は宇宙人だった!」とわかった時に、プレイヤーに「ああ!だから、あの時、あんな行動を取っていたんだ」とか
「だから詳しかったのか!」と納得させる事が大切。
これは伏線を入れておくという事です。
あと、ちょっと一歩進んだテクニックとしてはいったん伏線を回収するという方法もあります。
今回の例だと「宇宙人だと思った、でも、それを否定する何かを入れておく」にすると面白そうですね。
具体的に書いてみます!
UFOや宇宙人に詳しい⇒アイツは宇宙人なんじゃないか!?⇒本人がそれを警戒して、わざと友人に監視されている時にUFOや宇宙人関係の本やDVDを買ったり、レンタルする。
⇒友人に「あいつは宇宙人やUFOが好きだから詳しいのか!」と納得させ、プレイヤーにも同じように思わせる。
これが成功するとストーリーを作る側としては凄く気分が良いです。(やったぜ!プレイヤーを騙したぜ!みたいな感覚ですね)
あとは「突然いなくなる」はどうしますかね~。
これもわざと遊びで作ったひみつ基地に入ってみるとか?
こうやった、手の込んだ事をして、隠し事をしている人物がいると面白いですし。
ちょっと余談ですが、
作り手としては「どんでん返し」で受け取り側の読者やプレイヤーを騙そうとしています。
でも、受け取り側も結構やっかいで、ストーリー慣れしている方はなかなか騙せません!
私も、作品にもよりますが「基本的には常に疑ってみてます」
怪しそうな人物がいたら「あ、こいつは怪しそうだから犯人じゃないな」とか思いますし
この人物は~のフリをしているけど、今までの行動を考えると~っぽいな。とか考えちゃいます。
「どんでん返し」
これは、ある意味。作り手と受け取り側の壮絶な騙しあい。思考の読み合いだと思います。
あえて、読者が深読みする事を考えて、更にその裏をかいた「どんでん返し」にするとか。
やっている作者さんは多いと思います。
(ただ、これはなかなか難しい上に、どこまで裏を読めばよいのか、わからなくなってきます。上級者の技だと思います)
少なくとも、現時点の私はそこまで凄いのは作れないと思いますし。
今後もっと頑張りたい。
3.なんでもかんでも「どんでん返し」すれば良いものじゃない。
これも結構重要。
「どんでん返し」で受け取り側を驚かせようとして、どんでん返しを沢山いれる。
でも、それって本当に面白いのか?
<例>
人間だと思ったら実は宇宙人だった
⇒と、思ったら宇宙人ではなく地球で生まれた生物だった
⇒と、思ったら地球は実は地球じゃなく地球のコピーだった
⇒と、思ったらゲームの中の世界だった。
⇒と、思ったら・・・・以下略。
もうわけがわからないですよね。
これも、見せ方、伏線が上手く行われていれば飽きさせずに、面白く作ることが出来るかもしれません。
例えるならば
床をずっとひっくり返され続けると、目が回って気持ち悪いだけ
⇒
そうじゃなくて、大きく1回か、2回ひっくり返せば驚きが残る。
これが「どんでん返し」だと思います。
どうですかね?
なんとなく言いたいことがわかってもらえると嬉しいですが・・・。
「どんでん返し」はストーリーを作る上でとても面白いし、使えます。
でも、使い方には注意が必要ですし、慣れが必要だと思います。
とにかく、慣れないうちは1つか2つ、大きなどんでん返しを作るところから始めてみると良いのかな。
と思います。
では次回は「キャラクターの行動と解決、次の目的」からストーリーを作るをテーマにします。
“企画編16「実は~だった!どんでん返しからストーリーを作る」 第18回ウォーターフェニックス的「ノベルゲーム」のつくりかた” に対して1件のコメントがあります。