企画編22「物語の終わりがはじまり。~作品を完結させるという事~」 第24回ウォーターフェニックス的「ノベルゲーム」のつくりかた
第24回 企画編22「物語の終わりがはじまり。~作品を完結させるという事~」
執筆者:企画担当 ケイ茶
他の会社さんや、個人のクリエイターがどうやってノベルゲームを作っているのかはわかりません。
ここに書かれているのは、あくまで私達「ウォーターフェニックス」的ノベルゲームのつくりかたです。
企画編一覧はコチラのページにまとめてあります。
ケイ茶です。
今回のテーマは企画というより、作品そのものに関しての事です。
貴方は、作品をしっかりと完結させていますか?
最初だけ面白くて書いてみたけれど、結局最後が決まらなくて途中で止まってしまった。
とか、長編に挑戦したけれど、途中で力尽きてしまった。等
経験ありませんか?
なぜ、こんな事を書いたのかというと、作品は設定を考えたり、アイディアを出す段階。
作り始める前の段階って結構やれる人が多いと思うんですよ。
でも、いざ本格的に開発(ゲームの場合)に入ってしまうと作品を完成させられる人って少ないと思うのです。
実は私も一人じゃ完結させられない人。
多分、私一人だと作品は完成しません。というか、企画だけで終わります。
運よくシナリオまで自分で書いたとしても、最終的に完成まで持っていける?と言われると自信がないです。
企画は楽しいし、実際に出来ていく姿を見るのも楽しい。
でも、一人って「やる気」の維持が凄く大変なのです!
だって、全部が全部自由に出来るのだから、作るのも作らないのも自由。
それでいて、ゲーム制作(物語作り)というのは大部分が面倒で、辛い事の方が多い!
企画に関しても、面白いアイディアが出ている時は本当に楽しいです。
でも、時間で言えば、それ以上にアイディアが出なくて苦しむ時間の方が多い。
日々の、アイディアがでない期間があるからこそ、アイディアが出た時の嬉しさと達成感が味わえるのです。
じゃあ、複数人でやれば完成させられる?
実はそうでもない。
と思うのは、私達も今までは同人ゲームとして作ってきたので基本的には二人だったんです。
(企画の私と、シナリオ、イラストのRの二人)
でスクリプトは二人でやって、音楽や背景なんかはフリー素材を探したり、写真を使ったりしていました。
でも、今回は商業作品という事もあるのですが、様々な方にお仕事を依頼しました。
そこで、思ったのが相手との協力関係がしっかりと出来ているかどうか。
コミュニケーションが取れているのかどうか。
これがとても大切だという事。
完成しない理由の一因としてチームのメンバーの離脱や対立。これがあると思います。
特に、同人ゲームの場合で無償で依頼した場合はそうなりやすいのではないかと思います。
(絶対にそうだとは言いません)
自分は自分の作品に愛があるけれど、他のメンバーもそうだとは限りません。
もしかしたら、メンバーの中の一人が適当な人間で、やる気がなかったり、適当なクオリティの物を出してくるかもしれません。
最悪、それを見た、他のメンバーのやる気もなくなります。
そして、チーム全体の雰囲気も悪くなり、解散、ゲーム開発中止。なんて事もあり得ます。
そこまでして完成させる理由は何?
ゲーム開発は本当に辛い部分が多く、面倒な作業が多い、
時間だって本当にかかるんです。
場合によってはお金もかかります。
それでも、なぜ完成させるのか。
色々な意見があると思いますが、ウォーターフェニックスのケイ茶個人としては「自分達の作ったゲームを世に出したいから」
たったこれだけの理由なんです。
でも、これが一番大切なんじゃないかな?と思うのです。
最悪、チームのリーダーさえこの気持ちを貫き通すことができれば、完成するはずです。
メンバーがいなくなれば、自分が代わりにやってもいいし、代わりのもっと良いメンバーを探せばよい。
時間がなければ、長期開発すれば良いし、お金がなければお金をかけないか、お金をためるか。
やろうと思えば何らかの解決策、行動へとつながると思うから。
ゲームを完成させる事のメリット
一つのゲームを完成させると、そのゲームに対して何らかの反応が返ってきます。
面白いとか、つまらないとか、無反応(これもある意味反応)
その反応に対して、自分の作品が客観的にどう思われたのかがわかります。
●●の部分が面白い。と言われれば、その部分が良かったのだとわかりますし、逆に△△の部分が悪かった。と言われれば、その部分が今回は良く出来ていなかったとわかります。
無反応であれば、反応するような内容のゲームではなかった。
もしくは、ほとんどの人の目に留まらず、プレイすらしてもらえなかった。
等、分析ができるようになります。
ここから、やる気さえあれば
今回の作品の良い面、悪い面を知った上で、次回作へ進むことができる。
特に、悪い面で自分も納得したのであれば、今回悪かった部分を次回作では修正したり、より深く考えたり。と対策を立てることができます。
例えば、キャラクターが弱かったと言われたら、なぜ弱かったのかを考えて、次はキャラクターをもっと作り込もう!となるはずです。
逆に、良い面で~の展開が良かった。と言われたら、素直に喜びましょう!
そして、次回作では良い部分をもっと伸ばすにはどうすれば良いのか、さらに頑張ってみましょう。
私達も過去の完成させたゲームの反省を生かして、次回作、次回作と継続してきました。
自分たちでは、完成させて、その反省を生かして次を作り、完成させて、と繰り返すことで徐々に成長していると思っています。
ただ、まだまだ未熟なのも事実。
だからこそ、最後まで作って、プレイしてくれた方の反応から反省して、次へ生かす。
ずっと、これの繰り返しだと思っているのです。
なので、この記事を見て、ゲームを作ろうと思った方。
とりあえず、自信が無くても最後まで完成させてみて下さい!
そして、その反応がいかに悪い物であっても、諦めずに次回作につなげてみてください。
何度も失敗して、そこから立ちあがって、考えて。
繰り返す事により、成長すると思います。
私は理想論だと言われるかもしれませんが、諦めなければ夢は叶う。
そう思っています。
物語だって
諦めずに完成させて、どんなに酷い結果でも立ちあがって、繰り返していくその先に光があります。
きっと、貴方の目標とする物語が出来上がるはずです。
次回は「ノベルゲームの短編と、長編どっちが良い?」という事について。