企画編34「最大の敵は<慣れ>物語にメリハリをつけるという事」 第70回ウォーターフェニックス的「ノベルゲーム」のつくりかた
第70回 企画編34「最大の敵は<慣れ>物語にメリハリをつけるという事」
執筆者:企画担当 ケイ茶
他の会社さんや、個人のクリエイターがどうやってノベルゲームを作っているのかはわかりません。
ここに書かれているのは、あくまで私達「ウォーターフェニックス」的ノベルゲームのつくりかたです。
企画編一覧はコチラのページにまとめてあります。
ケイ茶です。
以前、物語の冒頭はインパクトから!何か事件を起こして一気に惹き込む方が良い。
と書きました。
冒頭はインパクトではじまり、次はある程度落ちついた展開が続きます。
インパクト(衝撃)と平穏な時間。この2つの繰り返しのバランスが大切
これが今回お伝えしたい事です。
もしも、最初に主人公の親友が死んでしまい、大切なものをいきなり失う主人公。
というインパクトがあったとします。
そして、次の展開では更に親が、次には兄弟が、次は他の友達が・・・と連続で死んでいったらどうでしょうか?
次から次へと重要な人物が死んでいって、見ている人は釘づけになる!
本当にそうでしょうか?
私だったら、途中でその展開に慣れてきて、多分飽きてきます。
例えば、アクション映画でストーリーが進まずに、アクションだけが永遠に続いたらどうでしょうか?
映像としては面白いかもしれませんが、ストーリーとしてはひたすら戦っている人物だけが描かれても面白くありません。
見せ場で迫力のアクションシーンが入る。のであれば良いのですが、それが連続で繰り返されてしまえば飽きます。
それが当たり前になってしまうのです!
人間は慣れる生き物です。
最初のうちは驚きがあって、おおっ!と思う物ですが、同じ事の繰り返しは飽きを呼びます。
興味を失っていきます。
では、見せたい場面が沢山ある!(派手なインパクトのある場面)場合はどうするの?
それは簡単です。
見せたい場面と見せたい場面の間に「ちょっとした日常や一息つく展開」を入れるのです。
最初の例でいいますと、大切な人が死んでしまった・・・。
その次に、また大切な人がすぐに死んでしまう。のではなく、大切な人を失ってしまった主人公の苦悩を描くのです。
そして、立ち直っていく過程もしくは、辛さに押しつぶされてしまうような展開にします。
このように、インパクトのある展開の後に、少し落ち着く時間を入れるのです。
(物語的にも見ている人的にも落ち着けるような時間)
そして、ある程度落ち着いた時に、次のインパクトのある展開を入れましょう!
主人公が立ち直ってきた⇒そこで、また親しい人が死んでしまう!
この主人公は一度は立ち直ったのに更に大切な人を失って、最初以上に落ち込んでしまうかもしれません。
★主人公が立ち直るようにアドバイスしてくれたり、手助けしてくれた人が次の犠牲者!だとより衝撃が強くなります。
(なんて性格の悪いプロットなんでしょうね・・・。でも、こういう感じのプロット作るの大好きです)
逆に、敵に対しての恨みがより強くなり、本気で相手を倒そう。
大切な人の恨みをはらそうと思うのかもしれません。
一度は自らを失い、そこから立ち直る⇒でも、更に大切な人が死ぬ
もう、この主人公は完全に闇に落ちてしまうかもしれません。
何もかも失ってしまい、完全無気力になってしまった主人公。そんな彼の所に、・・・・が現れて。
と話が展開しそうです?
具体例が弱いかもしれませんが、このように「インパクト」と「落ち着く時間」この2つの展開が交互に来る事によって物語にメリハリが生まれると思うんですよね。
どちらか片方だけではなかなか難しい。
インパクトだけでは慣れてしまうし、ずーっと落ち着いていてもこれも飽きるでしょう。
「衝撃な展開」があって、その後に「落ち着く時間」がある。
その後に、また「衝撃な展開」がやってくる。
読者を驚かせて、いったん落ち着かせて、読者が落ち着いて衝撃を忘れたころにまた「衝撃の展開」を仕掛ける!
これを上手くやっていくと、長い物語であっても最後まで飽きさせることなく、楽しんでもらえるんじゃないかな。
と思うんですよね。
という事で、物語のメリハリが大切!という話でした。