企画編49「可愛い子(キャラクター)をいじめて、そして最後に希望を与えよ!」 第85回ウォーターフェニックス的「ノベルゲーム」のつくりかた
第85回 企画編49「可愛い子(キャラクター)をいじめて、そして最後に希望を与えよ!」
執筆者:企画担当 ケイ茶
他の会社さんや、個人のクリエイターがどうやってノベルゲームを作っているのかはわかりません。
ここに書かれているのは、あくまで私達「ウォーターフェニックス」的ノベルゲームのつくりかたです。
企画編一覧はコチラのページにまとめてあります。
ケイ茶です。
可愛い子には旅をさせよ。と言います。
それは、物語の場合も同じです。
可愛い子ほど、いじめましょう!
性格が良くて、容姿も良くて、完璧な主人公。もしくはヒロイン!
シナリオライターとしても、企画者としてもお気に入りのこの子。(キャラクター)
いじめて、苦しめるのは凄く辛い事かもしれません。
ですが、可愛い子ほどいじめる。これが私のやり方です!
そうする事によって、プレイヤーも「こんなに可愛い子、良い子がなんて酷い目にあっているんだ!」⇒「かわいそう、助かってほしい、今後どうなってしまうの?」
と思うはずです。
そうなってくると、物語の最後までその子、キャラクターの事が気になって、読んでしまうのです。
これが結局のところ「物語の主体はキャラクターである」という事なのです。
さて、キャラクターを苦しめたとして、最後の問題点がありますが、貴方はどうしますか?
いじめられたキャラクターは最後に「救われる」or「救われない」どちら?
最初に書いてしまうと、これには正解はありません。
救われる展開、救われない展開。どちらでもありという事です。
ただし、幾つかのパターンと、それによってプレイヤー(読者)が受ける印象がだいぶ変わってきますので、注意が必要です!
◆最後に「救われる」=ハッピーエンド
これが王道にして、一番プレイヤーも納得するエンディング。
キャラクターを苦しめ、更に苦しめ、どん底まで落とす。
そして、その上で最高のハッピーエンドに持っていくという方法&エンディングとなります。
◆最後に「救われない」=バッドエンド?
これはキャラクターいじめを最後まで貫き通した場合です。
苦しみの先にあるのは、更なる苦しみ。頑張ったけれど、結局救われない、最悪な結末が待っています。
物語としての後味が悪く、プレイヤーが最後までプレイしてガッカリする可能性もあります。
ただし!このパターンは一部の人は好きだと思いますし、何より強烈なインパクトを与える事が出来ます。
このエンディングはインパクト、反応という意味では一番大きいのではないかと思います。
上手く使わない場合は後味の悪い。最後までプレイしたのにこんなエンドなのか!となってしまう可能性もあるので、使う場合は注意と覚悟が必要かも。
◆最後に「救われないけれど何か大切なものが残る」=トゥルーエンド?
ハッピーエンドの次に考えられるエンディングがこれ。
結局、キャラクターは救われなかったけれど、そのキャラクターの行動の結果、苦しみの結果「何か大切なものが残った」というパターン。
例えば、キャラクター本人は死んでしまったけれど、そのキャラクターが死んだ事によって、世界が救われる。
死んでしまったけれど、その信念を引き継ぐ人が出てきた。等、最後に希望を残して終わらせる方法です。
ちなみに、ノベルゲームの場合は便利な事に、選択肢によって「全てのエンディング」パターンを用意出来ます。
他の物語では出来ない方法なので、ノベルゲームなら全部いり!なんて方法もアリです。
ただし、作者として「このエンド以外にはあり得ないんだ!」と伝える場合は、一本に絞って、そのエンディングを描ききりましょう。
ちなみに、私の場合は・・・
基本的に、ハッピーエンドかトゥルーエンドを目指して作っています。
完全なバッドエンドで救われない。という展開にはならないように考えてはいますが、物語の題材や、キャラクターの行動によっては完全にバッドエンドの物語になってしまう事もあるのかもしれません。
私個人の好みとしては、苦しんだ上で反抗し、結果として幸せになるか、何かを成し遂げる。
が一番だと思っているので、基本はそこに到達するとは思います。
では、次回は関連として「物語の終わりは最初から決まっている?」について書いてみます。