企画編50「エンディング(物語の終わり)はいつ決まるのか?」 第86回ウォーターフェニックス的「ノベルゲーム」のつくりかた
第86回 企画編50「エンディング(物語の終わり)はいつ決まるのか?」
執筆者:企画担当 ケイ茶
他の会社さんや、個人のクリエイターがどうやってノベルゲームを作っているのかはわかりません。
ここに書かれているのは、あくまで私達「ウォーターフェニックス」的ノベルゲームのつくりかたです。
企画編一覧はコチラのページにまとめてあります。
ケイ茶です。
今回は物語のエンディングについて書いてみます。
貴方が創作をしていて、その物語の結末=エンディングはいつ決まっているでしょうか?(決めているでしょうか)
エンディングの決め方にも方法があります。
自分に合った方法、作品によって異なってくるかと思います。
エンディングはいつ決まるのか?~方法を紹介~
◆1.エンディングは最初から決まっている
私達の作り方の基本はこれです。
私が作った原案・プロットの段階で「エンディングはこうなる!」と決まった上でR(シナリオ担当)のシナリオがスタートします。
この場合は、エンディングが決まっているために、そのエンディングに向かうための道筋を描いていくことになります。
この方法を使うと、先が見えているために伏線を入れやすく、向かうべき先が見えているという利点があります。
ただし、良くも悪くも「予定調和」という感じがするのかもしれません。
決まったゴールに向かってひたすら歩き続けるという感じだと思います。
もしも、物語を書いているうちに決まった道から外れてしまった場合は、軌道修正して元々の道に戻るのか、それとも別の道へあえて進むのか。
を考える必要があります。
前者であれば、元々のエンディングに到達。
後者の場合は後述する◆3の方法になります。
◆2.エンディングは物語が展開する内に決まってくる(あえて終わりを決めずに書き始める)
私は基本的にはこの方法は使っていません。
この方法は企画をある程度立てた上で、あえてエンディングを決めずに突き進むという方法。
キャラクターの行動によってその後の展開やエンディングが左右されます。
ゴールが定まっておらず、道を外れようが、山を登ろうが、引き返そうが、それはそれとして信じたまま突き進む感じでしょうか。
ただし、この方法は物語がどこに転がっていくのか全くわかりません!!
作者にすら着地点がわかっておらず、キャラクターの動くまま、展開するがままに突き進むからです。
考え方によっては、キャラクターが動かすのが物語であるため、この方法も間違ってはいないと思います。
ただし、この方法では伏線を仕込むのが難しいのもありますし、自分で広げておいて風呂敷をしっかりと最後にたたむ事ができるのか。
今まで歩んできた物語という道をしっかりと終わらせる事が出来るのか。
ここが一番の問題になってきます。
最悪なパターンとしては、広大な設定、大きなスケールの物語になったわりにはエンディングが練られていなかったがために、漫画が打ち切られたかのようなエンドになっていたり、
一応は終わったものの、謎が解明されていなかったり、伏線が放置されていたり、問題が何も解決していなかったり、何が描きたかったのかわからない。
という終わりになってしまう可能性も大いにあります。
そう考えると、この方法は作者としても先が見えないがために、面白さはあるのでしょうが、ある程度の慣れが必要な上級者向けの方法かもしれません?
少なくとも、私はこの方法は現時点では苦手です。
◆3.最初から決まっていたエンディングが物語の展開によって変更される。
これは結構あります!
最初からエンディングが決まっていたものの、キャラクターの行動によって徐々に変化していくというもの。
あのエンディングでいくつもりだったけれど、今までのこの展開だとそうならないよね。だったら、エンディングはこうなるんじゃいの?
とシナリオ担当と話し合って、別のエンディングが出来ていく感じです。
◆2と違って、物語の途中途中で「軌道修正」と「ゴールの修正」を行っていくことに意味があります。
基本的には私達は◆1の方法でやりつつも、途中までの展開でエンディングが変わりそうなときは◆3の方法へ移行します。
そして、話し合ってどうやって物語を締めるのか。どのようなエンディングになるのか?
について考えていく感じですね。
さて、皆さんの方法はどうでしょうか?
正解も間違いもありません。
ただし、エンディングは物語においての重要点!そして到達点です。
「終わりよければすべてよし」とまではいきませんが、エンディングでそこまで楽しんできた人を裏切らないように。
エンディングを楽しんでもらえるようにしたいものです。
・・・エンディング作るのもなかなか大変だと思いますけれどね。