企画編74「設定はどこまで考えるべきか?」 第121回ウォーターフェニックス的「ノベルゲーム」のつくりかた
第121回 企画編74「設定はどこまで考えるべきか?」
執筆者:企画担当 ケイ茶
他の会社さんや、個人のクリエイターがどうやってノベルゲームを作っているのかはわかりません。
ここに書かれているのは、あくまで私達「ウォーターフェニックス」的ノベルゲームのつくりかたです。
企画編一覧はコチラのページにまとめてあります。
ケイ茶です。
今回は物語を作る上で避けては通れない「設定」
世界設定、キャラクター設定、ルール設定などの設定は一体どこまで作るべきなのか、そして私達はどこまで作っているのか。
そのあたりについて、書いてみようと思います。
ただし、いつも通り、あくまで私達の作り方であってそれが良い、悪い。
他の作品も同じように作られていると言うわけではありませんので、ご注意を!
設定は必要に応じて作る、世界設定よりはキャラクター設定の方が大切
というのが私の考えです。
正直なところ、私とシナリオ担当はあまり細かい設定を作るのが得意ではなく、好きではありません。
基本的な世界の構造やルールの設定はもちろん作っています。
~がこうなっているから、このようなルールになっている。等
ただし、例えば表に出てこないような設定はほとんど作っていないのです。
この世界の国家や軍事バランス、産業や技術等。
物語中で必要であれば作りますが、物語中で登場しない、必要がないと思う部分に関しては基本的に考えていません。
逆に、中には物語を作るにあたってノート数冊分の設定を作るような方もいるようです。
純粋に凄い!と私は思ってしまいます。
私の場合は、せいぜいA4の用紙数枚~数十枚くらいでしょうか。
今までに出してきた作品ではだいたい数枚くらいの設定しか考えていません。
一番やっかいな「十二死学園(仮)」においても数十枚の設定となっています。
逆に、重視しているのが「物語におけるわかりやすさ」と「キャラクター設定」です。
「わかりやすさ」という点においては、設定から生まれる固有名詞はあまり出したくはありません。
例えば、能力の一つ一つに名前が付いていて、このユーエタという力によって生じる、物質パーワがエクトラする事によって・・・。
みたいな固有名詞をつけての世界設定は好きではないのでやりたくないです。
だったら
この炎の力によって生じる、熱によって温度が上昇する事によって・・・。
というように、現実にあるもので代用したいと思ってしまう方ですから。
まあ、これに関しては好みの問題でしょうし、最初の方で固有名詞からあったほうがファンタジー感はありますし、世界観がわかりやすいとも言えます。
そのような世界設定にする場合はある程度考えるとは思いますが、なるべくは分かりやすい設定名を考えたいなーとは思いますが。
ちょっと話が脱線しましたが、このような世界設定に関しては私達はなるべくなら「現実」で分かりやすい範囲で。
設定を作るにしても物語に必要な部分、出す部分しか基本的には考えません。
という考え方です。(現時点においては)
必要最低限で作っています。
ただし、キャラクターに関しては、設定は「色々と考えるべき」だと思っています。
世界設定よりキャラクター設定を重視した方が良い。と考えています。
なぜそのような性格、考え方をするようになったのか?
子供の時の生活はどんなだった?
どんな人生を送って来たの?
友達はいたのか、どのような友達なのか?
具体的なエピソード。
等、なぜ、そのキャラクターが物語開始時にそのような行動をとるようになったのか、考え方になったのか。
ここに到達するまでのキャラクター設定は絶対に必要です!
それがないと、薄っぺらい「記号的なキャラクター」「都合のよいキャラクター」になってしまうからです。
なので、キャラクターの設定に関しては深く考えれば考える程、人間らしい、説得力があるものになると思います。
もし可能であれば0歳~20歳(物語登場時)までの年表を作ってもいいくらいです。
※私はそこまではやっていませんが・・・。
それでも、キャラクターに関しては以前にも設定を出しましたが、基本的な性格が出来るまでの仮定や過ごしてきた人生については考えています。
設定に関しては、あまり考えない人、こだわってひたすら考える人がいると思います。
注意すべきなのが、まったく考えていないと物語としての説得力がなくなってしまい問題。
逆に、作り過ぎて出し過ぎてしまうと読者がついていけない場合もあります。
(物語がはじまって最初の1時間が設定の説明しかない!だと読者も飽きてしまう可能性が高いです・・・)
設定が無さ過ぎても、ありすぎても(出し過ぎても)問題だと思います。
なので、個人的に一番良いと思う方法は「表向きは基本設定を出しおいて、実は一つ一つには深い設定がある」が良いのかな?と。
それくらいを目指して、私も設定を考えようとは思います。
ただ、基本的に設定を沢山考えるのが好きではない方なので・・・必要最低限になってしまう事もあります。
個人の好みを言わせてもらえれば、私個人としては「世界設定」に関しては好きなようです。
実はこの世界はこうなっていて、だからこんなルールがあって!というような設定は大好きなようです。
まあ、変な世界や変なキャラクターを作るのが好きなので、そのあたりの設定は好きなんだと思います。
ただし、細かい部分での世界の情勢や状況。特殊能力や超常現象の設定など。この辺りはおざなりになっている事もあるので、どこまで設定を考えるのか。
そのバランスは大切なのかな・・・とも思うのですが。
と、今回は自分の設定に関する考えを書きつつ、どこまで設定を考えるべきなのか?という内容でした。
(自分にとっての設定とは何か?をまとめておきたかったという理由もありますが)