物語のつくりかた編7「困った時は<なぜ、そうなったの?>と物語に問いかけてみましょう」 第141回ウォーターフェニックス的「ノベルゲーム」のつくりかた
第141回 物語のつくりかた編7「困った時は<なぜ、そうなったの?>と物語に問いかけてみましょう」
執筆者:企画担当 ケイ茶
他の会社さんや、個人のクリエイターがどうやってノベルゲームを作っているのかはわかりません。
ここに書かれているのは、あくまで私達「ウォーターフェニックス」的ノベルゲームのつくりかたです。
企画編一覧はコチラのページにまとめてあります。
ケイ茶です。
物語を作っていて、なんとなく納得しない事があります。
どうも上手くいかない・・・無理やり作っているような気がする・・・。
そんな時に、使える方法。
自分の物語に「なぜ、そうなったの?」と問いかけてみましょう!
この方法は単純ですが、意外と気づく事があったり、自分の物語の弱い部分を見つける事が出来るかもしれません。
例えば、以下のような問いかけです。
◆自分の物語への問いかけ(例)
・なぜ、主人公はヒロインを助けるの?
・なぜ、主人公は冒険に出る事になったの?
・なぜ、敵同士だったのに協力する事になったの?
・なぜ、その二人は恋をする事になったの?
・なぜ、絶体絶命の状況をひっくり返すような出来事がおこったの?
このように、自分の物語の展開に対して「なぜ、そのような結果になったのか?」と一つ一つ問いかけてみましょう!
例えの最初の「なぜ、主人公はヒロインを助けるの?」
⇒これに対して、貴方はどのように答えますか?
A:ヒロインだから ⇒確かにその通りですが、物語としての理由にはなっていません。
A:ヒロインが可哀相だから⇒可哀相だったら、貴方は誰これ構わず全員助けるのですか? (そのような主人公設定であれば問題なし)
A:幼いころから一緒に過ごしてきたヒロインが死にそうになっていたから⇒守る理由があります。
A:ずっと片思いだったヒロインが他の男に襲われていたから⇒自分の好きだったヒロインが襲われていたら、助けたくもなりますよね?
と、問いかけてみることにより
なんで、この主人公はその行動を起こすのか?を自分でしっかりと把握する事ができます。
もしも、これを問いかけてしっかりとした答えが出ない場合。
もしくは、納得できないような返事だったら、もう一度考え直してみましょう。
「ヒロインが可哀相だから助ける」理由としては納得できそうではありますが・・・全く知らないヒロインをはたから見て可哀相だから助ける。
なかなか出来る行動ではありません。
もしも、この理由でいくのであれば「可哀相なヒロイン」その可哀相な状況とは何?
そして、なぜ主人公が助ける必要があるのか。
他には誰もいないから? 今、ここで助けないと死んでしまうような状況だから? 助けることで自分にメリットがあるから?
など、第三者が見て、納得できる理由をつけると主人公の行動に納得が出来るようになります。
「ああ、だから助けたんだね!」とか「自分でも、そうするしかないだろうな」と思うような理由です。
そして、例えの2「なぜ、主人公は冒険に出ることになったの?」
これもとても大切です!
冒険とは、旅でも良いですし、行動と言い換えても問題ありません。
例えば、なぜ貴方の主人公は悪の組織と戦うようになったのか?
これも「悪だから」と簡単な理由をつけてしまうと薄っぺらくなります。
だって、貴方の場合はどうでしょうか?
目の前で悪事を働く悪の組織に対して、その場で戦いを挑みますか?
普通だったら、反撃されるのを恐れたり、自分が殺されるのを恐れてそこまで行動に出る事はできないと思います。
せいぜい警察に通報するだとか、その場を立ち去るとか、自分の身を守る
このような行動に出るのではないでしょうか?
もちろん、上記の場合でも「正義感が強い」主人公である場合は問題ありません。
その場合は、どのように正義感が強いのか、今までは悪に対してどのような行動を起こしていたのか等、事前に描写をしておく必要はあるかと思いますが。
(例)チンピラに囲まれて何度も殴られても、正義を語り続けるとか。
上記のような場合でなければ「主人公が悪と戦わざるを得ない理由」を作ってしまうとすんなりと納得できます。
例えば
「悪と戦わないと主人公の命が危ない!」
⇒主人公の体内に仕掛けられた爆弾のスイッチは悪の組織の幹部が持っている!とかね。
「悪と戦わないと自分の大切なものが奪われてしまう!」
⇒奪われた大切なモノ(モノや人物)を助けるために悪と戦うわけです。
このような理由があると、主人公が悪と戦う理由にすぐに納得がいきます。
そうだよね。そうするしかないよね⇒これが理由としてはかなり強いです。
このように、具体例を出してみましたが、物語において展開に困った時、これで良いのかと悩んだ時には問いかけです!
「なぜ、そうなったの?」と問いかけてみましょう。
そして適切な答えが返せなかった時には、きっと無茶な理由、無理やりつけられた理由、展開ありき・・・等が見えてくるかもしれません!