企画編2「恋愛+独裁国家=恋愛主義国家」 第4回ウォーターフェニックス的「ノベルゲーム」のつくりかた
第4回 「企画編2 恋愛+独裁国家=恋愛主義国家」
執筆者:企画担当 ケイ茶
他の会社さんや、個人のクリエイターがどうやってノベルゲームを作っているのかはわかりません。
ここに書かれているのは、あくまで私達「ウォーターフェニックス」的ノベルゲームのつくりかたです。
<企画編 一覧>
企画編1「ヤツ(アイディア)はどこからやってくる?」
ケイ茶です。
前回はアイディアを自分の好きな作品を変えることによって出そう!という話をしました。
今回は、私の持っているもう1つのアイディア発想法を書きます。
◆意外なアイディアは「言葉の組み合わせ」から出てくる!
タイトルにも入れたのですが、私は企画を考える時、自分の好きな言葉やふと思いついた言葉・単語をとりあえず書き出します。
例えば、次のテーマは恋愛にしたい。
じゃあ、メモ帳にとりあえず書いておきましょう!
<メモ>
・恋愛
恋愛といえば、舞台は学園?
それとも、田舎の村?ファンタジー世界?
どれも面白そうだけど、どこかで見たことがあるかもしれないなぁ・・・ってよく思います。
う~ん。
ここで、王道の恋愛物語を作っても良いと思いますし、それはそれで私は大好きです。
ただし、私みたいにひねくれた人はちょっと変な恋愛ものを作ってみようと思うんじゃないでしょうか?
恋愛+学園
恋愛+ファンタジー
恋愛+田舎の村
どれもどこかで見たことがありませんか?
もちろん、設定だけで物語の面白さが決まるとは思いません。
でも、私の場合はなんかもっと、変な設定にしたいなぁ~。って思っちゃう人なので。
◆変な言葉と組み合わせてみる
とりあえず、恋愛と関係あるものもなさそうなものも含めて、色々な言葉を頭の中で出してみます。
(もちろん、メモ帳等に殴り書きしても良いかも)
本当になんでも良いんです。
これは駄目だ~。なんてその場で思っても、思いついたらとりあえず書いてみましょう。
以外と、これは駄目だ~なんて思った言葉こそが、変なアイディアの元かもしれません。
試しに今書いてみます。
※現在進行形でこのテキストを考えながら書いてみました。
・ディスプレイ
・トイレ
・本
・電話ボックス
・マスコット
・脳みそ
・財布
ここまで1分くらいですかね。
本当にテキトーで申し訳ないのですが、色々出てきました。
じゃあ、組み合わせてみます。
「ディスプレイ恋愛」
⇒ディスプレイ越しの恋愛物語かな? 相手が男か女か、人間か人間じゃないのか、それすらもわからない。オンライン上の恋愛物語?
「トイレ恋愛」
⇒腹痛で唯一公園にあったトイレに駆け込んだ二人。トイレ越しに無くなったトイレットペーパーを投げ入れたり、苦しんでいる内に恋心が芽生える?
「恋愛本」
⇒これはなんか違いそう・・・。ごめんなさい、ぱっと出てきませんでした!
「電話ボックス恋愛」
⇒ストーカーに追われて電話ボックスに逃げた一人の少女。助けを電話で呼ぼうとするも、10円玉を持っていないためにかからない。
しかし!突然ボックス内電話への着信。相手は死んだ彼氏からだった。死んだ彼氏と一緒にストーカーを撃退していくストーリー?
「マスコット恋愛」
⇒今、女子高生たちの間で大ブームのゆるかわ系マスコット。皆色々な種類のマスコットを持っている。
しかし、そのマスコットの正体は、自分がフった彼氏そのものだった!(自分をフった相手をマスコットにしてしまう少女たちの愛と憎しみの物語)
「脳みそ恋愛」
⇒真夜中のドライブ中に結果をした男女二人。お互いにお互いに何を考えているのか、何が嘘で何が真実なのか、わからなくて口論が続く。
口論が続くうちに車の運転を誤り、大事故に発展!
二人の頭が潰れ、二人の脳が飛び出て隣同士に並ぶ。 最後に死ぬまでのわずかな時間、二人の脳が繋がり、お互いに隠していた秘密が暴露されていく・・・!
「財布恋愛」
⇒男の価値はお金だ。そう思うヒロインがいた。彼女には男=財布としか見えていない。というか、彼女には男が持っている財布の中身がわかる能力が備わっていた。
今日も彼女は男の財布を覗き、財布の金がなくなるまで、男を口説き続けるのだった。
どうでしょうか?
面白そうか、面白そうでない関係なしに、ほんの5分~10分程度で上記のようなよくわからない企画が沢山出来ました。
(書いてて楽しかったです。まあ、ゲーム化したい程のものはないのですが・・・)
でも、適当な言葉を組み合わせるだけで、とりあえず適当なアイディア・企画になるものなんです。
で、その適当な企画の中に「これはっ!」というものが出てきたら、もっと詳しく設定をつけるだけ。
これが私のよく使うアイディア発想法。
さて、ここで具体例として実際に企画として動き出す一歩手前までいった例を紹介します!
(短編か中編でノベルゲームにしようと思ったのですが、結局ボツになったアイディアです)
私は「恋愛」と「独裁国家」この2つの言葉を組み合わせてみました。
=出来上がったアイディア「恋愛主義国家」
<この言葉から、以下のように設定~物語展開が作られました>
※その時のメモをそのまま、貼り付け。
何も加工していない、リアルなものですので、見にくい、わかりにくい等あると思います。お許しくださいませ。
◆恋人がいない人間 「恋愛主義国家」
恋人がいないことは罪、結婚していないことは罪。
恋人がいないと人間失格者として、処刑される世界。
処刑の前に、猶予として恋人ではないもの同士が隔離される。
隔離はレベルが設定されており、下の層に行くほどレベルが高い。
上の層で恋人ができれば(もしくは、クリア条件を満たせば)すぐに出ることができる。
最下層まで落ちた主人公が巡る運命とはー。
主人公は本当に好きな相手でなければ無理やり恋人になるのはおかしいと思っている。
※子供の頃に何らかのトラウマか事件があったため、強くそう思うようになった。
<子供の頃の事件>★ ヒロイン(極悪人)とかかわりのある?
<ヒロインの持っている特殊能力?>
★世界の仕組みも、恋人のことも、全てはこのヒロインの特殊能力を抑えるための国の策略。
それほどまでに国が恐れている力とは。
ヒロインの力の発見から全てが始まった(元凶)
ヒロインは現在の世界に唯一敵対できる存在。
最下層にいる相手は「禁忌を犯した恋愛極悪人」
<恋愛極悪人とは?>
・恋人がいる人間を殺しまくった 殺人鬼?
・
・目を潰されるー相手を見ためで選ぶことはできない
・
・最下層に行って戻ってきたものはいない(殺されるといううわさ)
◆女が生まれない世界。 ヒロインのせい? 女性の滅亡=人がいなくなる世界。
ADVゲームにできないか。 サスペンス風、探索、緊迫感システム。
・チャイム、ドアを開けるかあけないか。 出てくる人物によっては殺される?
・うっかり彼女
元、死神か何かで、くせで殺しにかかってしまう。 それを回避しながら、共同生活。
・生きることは罪、主人公は生きることで罪を償っていた。
・最初は二人とも死の世界から始まるのか。
少女が死の世界の王で、主人公は臨死体験で来て出会っただけなのか?
・川で一人たたずんでいる少女。寂しそう
見はり」
※三途の川の見張りが彼女の役割。過去の魂の罪を償うため。
過去の魂は、連続殺人犯。その魂がずっと行き続けているため、長い償いが必要。
・主人公を元の世界に戻してあげた。(生き返らせた)鬼に見つからないように逃がしたりもする。
→その分、自らの罪となり、ひどい目にあう?
逃げだした主人公を連れ戻すようにという命令?
そうすれば、一緒にいる事もできる。 乗り気、葛藤。
・長く地上にいればいるほど、ヒロインの体は劣化し、腐っていく。
再生するためには人を殺し、生気を吸い取る必要がある。
・何かを助けるために主人公は格闘技などをひたすら習った。
記憶は覚えている、主人公はヒロインも同じような臨死体験者だと思っている(後ほど)
=どこかで会えないかとずっと思っていた。
ある時、ヒロインに再会する(もちろん、成長した姿の)
◆生と死の恋物語~恋愛主義国家~
・主人公の子供の頃
主人公は生死をさまよう大怪我ー臨死体験 一週間ほど
三途の川の近くで、少女と出会い、仲良くなった。→主人公が生き返っため、二人は離れ離れに。
※この時の主人公の記憶はなくなっている。(忘れてしまっている)
↓
・少女は死の世界の住人。記憶もなく、何かの罪滅ぼしとして、三途の川で見張り番をする日々であった。
そんな中、主人公に出会い、主人公のことが好きになるが、別れてしまい再びあうことができない。
↓
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★主人公とヒロイン、交互の視点で物語は展開する。
◆主人公 子供の頃(小学生くらい)
生死をさまよう大怪我ー臨死体験、1週間ほど。
よくわからない場所(三途の川付近)をさまよう主人公。川を渡ろうとしたとき、ふと、遠くに佇んでいる寂しそうな
少女を見かける。
主人公は、彼女のことが気になって、彼女のところに行く。
二人は徐々に仲良くなっていく、途中何度も怪物(鬼?)から少女が主人公を逃がしてくれる(追いかけられる)
※少女は今までほとんど誰にも声をかけられることがなかった。主人公が声をかけてくれて、最初は戸惑っていたが
徐々に心を開いていく。
※少女は死の世界の住人。
記憶もなく、何かの罪滅ぼしとして三途の川の見張り番をする非簿であった(数百年・・・)
楽しい日々を送る二人だが、徐々に主人公の元気がなくなっていく。
このまま川を渡らなければ成仏ができない霊になってしまう、ただし魂はまだ現世に繋がっている状態。
それを知っている少女は、主人公との楽しい日々がなくなってしまうことを寂しいと思いながらも、主人公を
こっそりと現世に返す。
↓
主人公は現世で目覚める。
★しかし、ヒロインは主人公を逃がした(もしくは、見張りの責任)として重い罰を受けることになる。
(地獄の罪めぐりとか?)
数年~10年くらいの間。
◆主人公 小学生~高校生
主人公は病室で目覚める(奇跡の復活)
少女の事は覚えている。
主人公はヒロインも同じような臨死体験者だと思っている(後ほど)
=どこかで会えないかとずっと思っていた。
また、自分だけ助かり、少女を助けることができなかった事を悔い、主人公は退院後ずっと格闘技等を
学び、誰かを助けることができるように訓練をする日々。
消防士か自衛隊など、人を助ける仕事に就きたいと思っている。
<起>
◆主人公 高校生
そんなある日、主人公は街で臨死体験のときに出会った少女を見つける。
(相手も成長した姿で登場)
彼女も主人公のことを覚えており、二人は現世での再会を喜ぶ。
★少女 長い罪からの解放と新たな役割
逃げだした主人公を連れ戻すようにという命令を受ける。
そうすれば、一緒にいる事もできる。 乗り気、葛藤(主人公を連れ戻す=現世で殺すという事)
少女は戸惑いながらも、主人公に会いたいという思いが強く、命令を受け現世へ旅立つ。
(もちろん、拒否権はないのだが・・・&この命令の成否が今後の彼女の運命を左右する指針となる事を知らずに)
<承>
◆主人公
再会した少女とその後、何度も会い、一緒に遊び、再び仲良くなっていく。
そして、主人公はずっと彼女のことが好きだったと告白し、一緒に付き合うことになる。
★少女
主人公との楽しい恋人としての日々。
しかし、その裏で少女の人間としての体を長い間維持する事はできない。
徐々に体が剥がれ(皮膚が剥がれ、骨が見えてくる。また、死臭がしてくる)
人間としての生活ができなくなっていく。
ただし、この指令を受けるときに、体の寿命のことは事前に聞いている。
体の寿命が来る前までに指令を達成する事が一番だが寿命が来た場合には、生きている人間を殺し、生気を吸い取ることで
体が再び復活する事を教えられている。
少女は体を維持するために、現世で人を殺し始める。
だが、人を殺せば殺すほど自らの罪悪感が強くなり、こんなことは続けていたくないと思ってくる。
また、指令もあり、主人公と一緒にいるためには主人公を殺すのが一番だと考えるようになる。
少女は楽しく主人公とデートをする事と平行し、主人公を殺す策略を考え、何度も実行に移す(事故にみせかけて)
※ここを特に、主人公サイドとヒロインサイドで話を分割し、ヒロインの策略パート(主人公に迫る恐怖)
と、それを知らずも、恐怖(死)を回避する主人公サイドという物語展開にできないだろうか。
プレイヤーに恐怖を見せた上で、主人公が回避する展開を楽しませる。サスペンス?
しかし、主人公はヒロインを守るために体を鍛えていたため、反射神経や状況判断能力も高くその都度、難を逃れ
逆に連続殺人犯(少女)が気がかりで、少女の事を心配に思い、少女と同棲する事になる(押し切った形で)
◆★同棲する二人
しかし、少女は隠れて人を殺し続ける、もしくは主人公を殺すための行動に出る。
主人公はそんな少女の行動に気づき始め、心配をする日々。
<転>
★◆主人公に人を殺す現場を見られる少女。(また、ぼろぼろになった死人の体も見られる)
少女は、見られたことによりその場で主人公を殺そうとする。
逆に、抵抗をしない主人公。少女は殺せなくなってしまう。
なぜ、そのようなことをするのかと、主人公が少女に問いかけ、少女は全てを白状する。
主人公は、少女の持っている重い運命から開放したいと思う。
地獄へ?
◆主人公に与えられた罪(罰)
生きたままあの世へいき、三途の川を渡り「死人」として認定。
ただし、生きたまま死人と承認されたため、現世からの記憶は抹消されるが、あの世の先にはいけない。
そのため、現世で誰にも気づかれず(空気のような存在)一生を過ごさなければならない。
孤独な一生を過ごす(死ぬまで)
★ヒロインに与えられた罪
ヒロインも主人公を忘れてしまうはず・・・だが、ヒロインはずっと主人公のことを紙に書き続け、忘れないようにしている。
それと同時に
主人公の苦しむ姿をずっと見続けること。それが、ヒロインに与えられた罪。(自らは何も手出し、手助けもできない)
ただ、忘れないように見て、主人公が苦しんでいるのを近くで見ているだけ。
<結>
それぞれの与えられた罪を償った二人。
主人公は現世で死に、再び三途の川を渡ってくる。
ヒロインも解放され、主人公と久しぶりの再会となる。
以上。
真面目に読んでくれた方ありがとうございます。ごめんなさい、多分、役に立たないと思います・・・。
こんなのが、私の毎回の企画ノートなんです。
一応それっぽく書いてありますが、なんか今見るとわけわからないし、途中から別の企画になったりと、迷走しているような。
一応言っておきますと、恋愛主義国家というひびき。
そして、恋愛はしなければいけない国家。
恋愛を特定の理由があってしない主人公と、監獄の最下層にいるヒロイン。
この二人の出会い。
このあたりは結構気に入っていたんですよね。
◆おまけ「2つの組み合わせが凄い作品」
タイトルで気になって、設定も凄い作品たち。
ぱっと思いつくものを書いてみます。
こういうのも言葉の組み合わせから出てきたんじゃないかな~と思うのですが、どうなんですかね?
・最終兵器彼女
最終兵器+彼女
・日本以外全部沈没
(すぐに覚えてしまった!)
あれ。
以外と思い浮かばない。
でも思う事。
最終兵器彼女はやっぱり凄い。
私なんかタイトルで惹きつけられて、内容もおおっ!と思い、アニメ・マンガ共に心に残っている作品。
次回は、2つと言っておきながら、実はまだ1つ残された発想法が・・・。(お楽しみに!)
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