企画編38「空想の物語だけど、リアリティを出すという事」 第74回ウォーターフェニックス的「ノベルゲーム」のつくりかた
第74回 企画編38「空想の物語だけど、リアリティを出すという事」
執筆者:企画担当 ケイ茶
他の会社さんや、個人のクリエイターがどうやってノベルゲームを作っているのかはわかりません。
ここに書かれているのは、あくまで私達「ウォーターフェニックス」的ノベルゲームのつくりかたです。
企画編一覧はコチラのページにまとめてあります。
ケイ茶です。
物語は嘘。だけど本当だと思わせる、リアルティを出して納得させる!
今回は空想、嘘。
それをいかに、本物っぽくするのか。リアリティを出して、プレイヤー、読者を納得させるのかという事。
物語は基本的には全部ウソです!
現実にあった事(実話)を元にしたノンフィクションであれば別ですが、基本的にはアニメやノベルゲーム、ライトノベル等は基本的には大ウソですよね?
主人公が特殊な能力を持っていたり、特別な世界に行ったり、変なキャラクターばかりが出てきたり!
どれも、現実ではあり得ない事です。
じゃあ、現実ではありえないからといって、なんでもかんでも嘘を作ってしまって良いのか?
物語は嘘。だからと言って「何でもできる」は世界観が崩壊し、作者の都合で作られる
ファンタジー世界にはファンタジー世界なりのルールがあります。
だって、いくら嘘、ファンタジーだからといって主人公の強さが作者の気分でコロコロ変わってしまったり、都合のよい時に都合の良い魔法や技を使えたりしたら、おかしいと思いませんか?
これが、ご都合ってやつですね。
だから、しっかりと決めておかなければいけない事があります!
それは・・・
世界のルール(できる事、できない事)とできる事には「なぜ出来るのか、どのようになっているのか」を理由づける
これが必要になってきます。
まず「世界のルール」について。
例えば、魔法が使えるとします。(ファンタジー世界)どんな魔法が使えるの?
どうやって覚えるの?
全員が使えるの?
主人公が強い魔法を使える理由は?
魔法は無制限に使える?
等、魔法に関するルールを作りましょう。
これがそのまま、世界のルールになります。
これを決めておかないと、なぜか魔法が使えるし、なぜか主人公だけが強い魔法を使える世界で、無制限に使えるのかも不明。
という事になってしまいます!
ちなみに、失敗例として私達が前に作った「神様のふるさと」というゲームでは「夢の力」=夢で見た事を現実に反映する力。
があったのですが、この力の設定を細かく作っていませんでした!
なので、ある意味「なんでもできる」ようで、実は制約があった。
という自分達でも、どこまでがOKでどこからがNGかわからずに物語を展開していました。
なので、便利な力だ。という事になってしまい、都合よく色々な事ができてしまう。という世界観になってしまいました。
これに関しては、夢の力はどこまで出来るのか。何が出来ないのか。
という範囲や制約をつけるべきだったと後から反省しました。
<理由づけは重要>⇒説得力を持たせる。⇒リアリティへ。
あとは、設定に説得力を持たせると言うこともとても重要です。
例えば「誰からも好かれる能力を持つ主人公」がいたとします。
そういう能力があるから、好かれる!と簡単に言うこともできますが、この能力に「なぜ?」と理由づけをしてみましょう。
なぜ、主人公は好かれる? 主人公の持つ能力の正体は?
⇒そこで! 設定をつけてみます。
主人公は子供のころに、誰にも好かれていなかった。
そこで、誰にも好かれるための匂いの研究をし、皆が引き寄せられる匂いを開発。⇒それを自分に塗りたくった。
これが主人公の能力の正体だ!
という事です。
ちょっと、強引ですかね?
でも、このように嘘であっても、嘘を正当化。嘘が本物らしく見える理由を付け加えるとリアリティへと繋がっていくのです!
あとは、現実の話を入れてしまうという方法もあります。
例えば、人は監獄のような環境では人格が変貌してしまいます。
これを物語で描く際に、実際にそのような事例が現実世界であった。という会話をキャラクターがするだけで、リアリティになると思いませんか?
※この例の場合は「スタンフォード監獄実験」の実話を入れるとそれらしくなります。
実は十二死学園(仮)でもこれを採用しています。
この辺りは、企画担当者だけではなく、シナリオ担当者も理解して相談してシナリオに入れると良いかと思います。