失敗すると「もったいない!」~「ノベルゲーム」「物語」のキャッチコピー・あらすじの作り方~
「ノベルゲーム」「物語」のキャッチコピー・あらすじの作り方
貴方の作った「ノベルゲーム」や「物語」が完成しました!
次のステップは、いかに出来上がった作品を広げるのか、興味を持ってもらえるのかという事ですよね?
そこで、基本的にはノベルゲームや物語の場合は「キャッチコピー」そして「物語のあらすじ」で興味を持ってもらう事になります。
+メインビジュアルも大切ですが、今回はテキスト部分(キャッチコピー&あらすじ)についての内容になります。
せっかく中身が面白い作品なのに、キャッチコピーやあらすじで失敗している作品は非常にもったいない!
そんな事にならないように、どうすれば良いのか、どのように作ったら良いのか、私が考えている事、知っている事を書きたいと思います。
目次
- そもそも「キャッチコピー」や「あらすじ」は何のために書くのか?
- 誇張表現やインパクトが大切!でも、嘘は書かない
- あくまで「作品の内容」で勝負。無駄な事は書かない。
- キャッチコピー+物語のあらすじを作る方法(一例)
- 最後に
そもそも「キャッチコピー」や「あらすじ」は何のために書くのか?
これは「自分の作品の魅力を短時間で伝えるため」です。
貴方の作品を最初に知った時、それを発見した人は何を見るでしょうか?
まずパっと見ての「メインビジュアル」&「キャッチコピー」「タイトル」
きっとこれくらいだと思います。
そこで、ちょっとでも興味を持った人は「あらすじ」を読んだり中身(パッケージとか、本だったら本の中身)を見たり、ネットで検索したりします。
逆にパっと見ての「メインビジュアル」「キャッチコピー」「タイトル」
この辺りで何も感じなかった、何も魅力的に思わなかったら貴方だったらどうしますか?
……そうです、そのまま「その作品とはさようなら!」ですよね。
わざわざ自分の興味が無い作品を検索したり、中身を見たり、あらすじを読んだりはしません。
そう考えると、いかに「短時間で自分の作品の魅力を伝える事」これが大切かわかってもらえたかと思います。
誇張表現やインパクトが大切!でも、嘘は書かない
「短時間で自分の作品の魅力を伝える」ための方法としてキャッチコピーがあります。
本でも帯に書いてありますよね?「こんな主人公が、何とあんな事をする物語です!」とか「今年一番売れている本です!」とか。
これは売り手が必死に、この作品はこんなものですよ! こんなに良いものなんですよ!
だから手に取ってね、買ってね!という貴方へのアピールです。
もう全力でその作品の魅力をアピールしているわけですね。
だから、貴方も全力でアピールするべきなのです。
たったの一文くらいのキャッチコピーで作品の魅力を伝えなければいけないのです!
そして、そのためにはインパクトや具体的な数字、独自性やある程度の誇張は必用になります。
例えば……ですよ?
貴方の物語で「ドジっ子ヒロイン」がメインだとします。
じゃあ、この子の特徴をキャッチコピーで書いてみよう!と思ったとします。
さて、どのように書きますか?
「ドジっ子ヒロインが大活躍!」と書いたとします、これで正しいんですが、何も具体性がありません。
⇒ちょっと、具体性を持たせてみましょうか。
「一日に24回転ぶドジっ子ヒロインが誘拐されて大活躍!」
これが良いキャッチ……とまでは言いません(私もそこまで、凄いキャッチを作れるかと言われると……ですので)
ただし、最初の「ドジっ子ヒロインが大活躍」よりも、良くなったとは思いませんか?
まずポイントとして数字などの具体的なデータを入れる。
これキャッチコピーにおいては効果がある方法なのです。
ようするに「一日に24回転ぶ」の部分です。
最初の「ドジっ子ヒロイン」では、どのようにドジなのか全くわかりません。
しかし「一日に24回転ぶ」と書いてあれば「ああ、1時間に1回転ぶくらいのドジな子なんだなぁ」って理解できますよね。
ポイントの2として「大活躍」これも、どのような場面での大活躍なのかわかりません。
なので「誘拐されて大活躍!」と変更してみました。
えっと? 1時間に1回転ぶような子が誘拐されて大活躍だって? どういう事?
そう思ったのであれば、このキャッチコピーは成功です。
ちょっとあらすじを読んでみたり、ネットで検索したくなったら第一段階としては勝ちなのです。
このように、キャッチコピーは具体的な事を書きましょう。
そして、類似性の無さやインパクトのあるものにして「疑問」を持たせたり「興味」を持たせましょう。
しかし!だからと言ってやってはいけない事があります。
まず「嘘は絶対に書かない事」です。
あえてやる人はいないとは思いますが、キャッチコピーに書いてあった事が本編では全く描かれていない。
これは騙しです。
(※その騙しが、実は伏線だったとか、意味があれば別ですけれど)
あくまで「作品の内容」で勝負。無駄な事は書かない。
こちらもキャッチコピーでやってはいけない事。
と個人的に思っている「無駄な事を書かない」
特に「ノベルゲーム」や「物語」をメインに押し出したいのであれば、それ以外の事は無駄に書かない方が良いと思います。
例えば、完全に否定するわけではないのですが……「構想期間10年の大作」「制作費何十億!」「あの~の監督が手掛けた」
これをキャッチコピーにして、物語の内容に全く触れていない作品。
これでは、その「作品」を「作品の内容以外で売っている、広げようとしている」わけです。
完全に駄目とは言いませんし、有名な方が作った作品であれば正直、かなりの効果があります。
なので、使いようだとは思うのですが……。
少なくとも、貴方が有名ではないのに「作品以外の内容」でキャッチコピーは作らない方が良いです。
例えば「構想10年の大作です!」とか「大長編です!」とか。
確かに、おお!10年か……頑張って作られたんだなぁと思ってもらえるかもしれません。
しかし、それを伝える前に伝えるべき事があるはずです。
作品の内容を伝えましょう。
キャッチコピー+物語のあらすじを作る方法(一例)
じゃあ、実際にキャッチコピーやあらすじはどうやって作るのか。
これは人によって様々な作り方があると思います。
これだけでは答えになっていないので、私達の作り方を書いてみますので、もし使えそうであれば参考にしてみてください。
貴方の物語の要素をまずは箇条書きで抜き出しましょう。
どのような物語なのか?
誰が、どのように、何をするのか。
どのような舞台なのか、設定など。
そして、全てを書き出したら「その中で何を伝えたいのか」
重要度順に並べてみます。
そして、重要度が高い単語や、重要度の高い要素を入れたキャッチコピーやあらすじを書いてみるのです。
<参考>
参考に、弊社のノベル「一緒に行きましょう逝きましょう生きましょう」のキャッチコピーとあらすじは以下の通りです。
★キャッチコピー
死に続ける少女と旅をするノベルゲーム
「一緒に行きましょう逝きましょう生きましょう」★あらずじ
「この地球上に、私……と、貴方以外の人間はいません」
ある日高校生の鏡夜が目覚めると、世界は様変わりしていた。
体は動かず、建物は寂れ、荒地が続く。
通りがかった少女によると、世界は滅んだという。
信じたくない鏡夜は、他の生物を探すため、少女と共に廃虚を旅する。
――しかし。少女には『使命』があった。
人間の罪を償うために、彼女は死に続けなければならない。
何回も、何十回も、何百回も、何千回も。何万回も。息絶えては生き返る。
苦痛しか知らない彼女を見ているうちに、幸せを教えたいと鏡夜は思う。
滅んだ世界で2人きり。
死に続ける少女と、生きるための旅をする。
何度も言いますが、これが良いかどうかは人によって様々だと思います。
あくまで、私達(特にシナリオ担当)が上記の方法で、重要度をつけて書いたものが上記のキャッチ&あらすじなのです。
まずはキャッチコピーで入れたかった要素として
「死に続ける少女」
そして「その少女と旅をする」物語である事。
+タイトルのインパクト。
そして、あらすじで具体的な物語の内容を記載しています。
物語の内容と、方向性を示しているつもりです。
ちなみに、ですが……。
あらすじにおいて難しい点は「どこまで、ネタバレするか、情報を出すのか」です。
これが実に難しい……。
あんまり出し過ぎてしまうと、ネタバレが多くて「読んでいて、それもう知ってるよ!」と読者に思われてしまいます。
かといって何も書かないと「ありふれたあらすじ」「無難な内容」のものになってしまい、興味を持ってもらえません!
なので、このキャッチコピーやあらすじでは、ある程度はネタバレをしつつも、核心部分は書かない……くらいが妥当なのかな?
と個人的には思っています。
流石にあらすじで、物語の結末まで書いちゃうと、それで満足されてしまうかもしれませんし。
やるとしたら、そして最後の決戦でどうなるのか!?くらいでぼかす、これくらいが最大なのかなと思います。
なので、重要度順に要素を書き出したら
どこまで情報を出すのか。
何を出して、何を隠す(情報として出さない)のか。
これを考えてみると良さそうです。
最後に
キャッチコピーやあらすじの大切さはわかって頂けたでしょうか?
なんでこんな事を書くのかと言うと、冒頭でも書いた通り「こんなに面白い作品なのに、あらすじがもったいない!キャッチコピーがもったいない!」
と思う作品があるからです。
なので、せっかく良い作品なのに、キャッチコピーやあらすじが地味なばかりに話題にならない。
そんな作品を少しでも減らしたいと思ったのです。
ここで私が書いて、効果は大きくはないと思いますが、少しでも誰かの参考になれば……それだけでも嬉しいです。
だから、良い作品をまずは作ってください。
その上で、しっかりと興味を持ってもらえそうなキャッチコピーやあらすじ。
こっちにも力を入れてみてください。
それだけでも、きっと効果があるはずですから。