「面白い物語の作り方の知識がある、わかった」だけじゃ作れない!
「面白い物語の作り方の知識がある、わかった」だけじゃ作れない!
この記事を読んでいると言う事は、貴方は「面白い物語」についてある程度知っている、調べている方だと思います。
きっと自分なりの物語構築のための知識があり、どうすれば面白い物語を作れるのか?
どのような物語の作り方があるのか、を知っている方が多いと思うのです。
しかし、それだけ調べても、他人の知識を理解しても「いざ作ろうと思ったら、面白くない」
そうなってしまう事が良くあります。
その原因は何か、そしてその状況に陥ってしまった時、どのような方法があるのか。
私の対策法を書いてみます。
少しでも悩んでいる方のヒントになれば……と思います。
目次
- 「物語作り」の知識は必要
- 知識の通り、ノウハウを物語に導入するが「何かが違う」
- 「何か」の原因を追及する。
- それでも「何かが違う」
- 物語で百発百中は可能か?
- 知識・ノウハウ+運+経験=「面白い物語」か「ヒット作」
- ちなみに、面白い物語とヒットは全く別。
「物語作り」の知識は必要
前提として基本的には「面白い物語」を作るためにはある程度の知識は必要です。
※ただし、意図的に吸収しなくても理解している人、自分の世界を持っている人、天才型の人は除きます。
物語の基本構造がどうなっているのか?
魅力的なキャラクターの条件とは何か?
どのような物語が受けやすいのか等。
この辺りの知識を持っている事、独学でも、講座等でも問題ないです。
何も知らない状態で「面白い物語が作れない」という方は、まずは物語作りの基本を理解して、学んでみてください。
知識の通り、ノウハウを物語に導入するが「何かが違う」
さて、ここからが本題になります。
実際に知識はあるはず、沢山の知識を吸収して「いざ、自分でも作ってみようとする」「作ってみた」
それでも、実際に出来た物語、作っている物語が「何かが違う」
そのような状況に遭遇する事は多いです。
「あれ? おかしい」面白い物語を作る為の方法論を使ったはずなのに? 知識を生かしたはずなのに?
「う~ん」「なんで?」という状況です。
「何か」の原因を追及する。
この「何かが違う」これは非常にやっかいです!
「何かって何?」
貴方が作って「何かが違う」と思った事は、貴方がわかっていない、という事です。
そして、その「何か」を他人が指摘する事もまた難しいのです。
貴方「これ何かが違って、何か面白くないんだけど……」
相手「何かって言われても……」
と相手が困ってしまうかもしれません。
ただ、第三者に見てもらう事で、他人からの意見を貰うという事もまた大切かもしれません。
相手「そういえば、~~の部分が面白いと思うけど、ここは微妙だよね」
貴方「あっ!そうか、それが何かが違う原因だ」
という事もあるかもしれません。
ただし、相手の意見が全くの見当はずれという事も考えられます。
あくまで一つの方法、一つの参考意見と考えるくらいが丁度よいかと思います。
では、次に「何かが違う」だから面白くない! その場合に考えるべき3つの要素をお伝えします。
それは「かせ」「事件」「キャラクター」です。
以前にも書いた事がありますし、これは「シナリオ作法四十八章」という本に書かれていた事です。
※ちょっと本自体は古いのですが、かなり参考になります。ただし入手困難かもしれませんが……。
◆1.キャラクター(人物)
行動理由がはっきりしていて、魅力的なキャラクター。
物語が面白くなるためにはキャラクターは最重要項目です!
◆2.かせ
~したいけれど~という制約がある。等、かせがある物語は面白くなりやすいです。
◆3.事件
キャラクターがどのような事件に遭遇するのか、そしてどのように解決するのか?
もし「何かが違う」と思ったら上記の3点を見直してみましょう。
もしかすると「キャラクターは魅力的」なんだけど「かせがない」
事件とかせは魅力的なんだけど「キャラクターが魅力的ではない」等。
解決の糸口や「何か」の原因が見つかる可能性もあります。
それでも「何かが違う」
上記の3点を見直した、他人にも見てもらった。
それでも「何かが違う」……もう、どうして良いのかわからない。
こうなってしまうと「更に厄介です」
「キャラクター」も「かせ」も「事件」も文句が無い。
それなのに「何かが違う?」それは一体何なんだという事になりますから。
もしかしたら、貴方の目標が高すぎるだけなのかもしれませんし、まだ実力が足りていないのかもしれません。
そもそも「根本的な企画・設定」が駄目(魅力的ではない、弱い、ありきたり)だったのかもしれません。
こうなってしまったら私の場合は「最悪、ボツにしてしまいます」もしくは「ある程度妥協して作りきってしまう」
どちらかですね。
面白くない、今の自分では魅力的なものは作れないと思ったら泣く泣く「ボツ」にします。
もしくは、何かが足りないかもしれない、でも自分では面白いと思う部分も多い⇒「不明確な部分はあるけれど、作りたいから作ってしまう」
100%は無理でも80%の面白い物語として楽しんでもらえる可能性も高いです。
ここの最終判断は作者次第でしょう。
ボツにするにしても、妥協して作るにしても、時間が許す限りは「何か」の原因を追及するでも。
何にしても「その作品・物語に対して」後悔はしないように。
物語で百発百中は可能か?
ちょっと余談ですが「物語で百発百中」は可能なのか。
ようするに、面白い物語だけを作る続けることは出来るのか?という事。
これは「ほぼ無理」です。
そもそも「面白い」の定義が人によって違うため、無理なのです。
作者にとっては全部が全部「面白い物語」でも、読者にとっては「全部が全部面白い」はあり得ません。
これを面白い物語ではなく「ヒット作」と考えても、かなり可能性は低いでしょう。
これが出来るのであればヒット作を一度作った人はその後ずっとヒット作を連発しているはずですし……。
でも、ヒット作をずっとは無理でも「ヒット作を沢山出している人」はいますよね?
そのような人は何が凄いのか。
知識・ノウハウ+運+経験=「面白い物語」か「ヒット作」
ヒット作や面白い作品を沢山出せる人は上記に恵まれている人です。
「知識・ノウハウ」そして「経験」これは積めば積むほど上達しますし、自分のものになります。
これに運の要素が付いてきます。
その物語がその時代に受け入れられる題材なのか、時期は良かったのか、競合がいるのかいないのか。
宣伝の仕方が良かったとか悪かったとか。
話題性があったか、なかったとか。
ちなみに、面白い物語とヒットは全く別。
最後に書いておきたいのが「面白い物語」と「ヒットする物語」は絶対にイコールではないという事です。
もちろん面白い=ヒット作 という物語も沢山存在します。
しかし、面白くもないけれどヒットしている作品(なんで?)
とか面白いんだけど全くヒットしてない作品(これも、なんで?)
が沢山あるわけです。
面白い物語だからといって絶対にヒットするなんてことはありません。
特定の人に面白いのかもしれませんし、面白くても一般受けしないから大ヒットしなかったのかもしれません。
逆に、一部の人が面白くないと思っても、一般受けするような物語だった場合、大ヒットする事もあります。
面白くないんだけど、宣伝や話題性等の運要素、意図的な作戦でヒットする物語だってあります。
なので「面白い物語を作ったのにヒットしなかった」場合は運が悪かった、多くの人に受ける題材ではなかった、のかもしれません。
そう思って、次の作品にも取り組みましょう。
私もある程度は面白い物語の見分けがつくようになってきたとは思ってはいますが……。
自分が面白いと思ってもヒットしていない作品も多かったり、逆も多いと思う事が良くあります。
こればかりは仕方ないですね。
逆に、何がヒットして何がヒットしないのか。
これがわかればヒット作の仕掛け人になれるわけですからね~。
まだまだ自分の力が無い、未熟だと思いながらも「面白い物語になるように、作り続ける」これしかありませんね。