会社設立編5「ノベルゲーム会社の資本金について」 第53回ウォーターフェニックス的「ノベルゲーム」のつくりかた
第53回 会社設立編5「ノベルゲーム会社の資本金について」
執筆者:(株)ウォーターフェニックス代表 ケイ茶
他の会社さんや、個人のクリエイターがどうやってノベルゲームを作っているのかはわかりません。
ここに書かれているのは、あくまで私達「ウォーターフェニックス」的ノベルゲームのつくりかたです。
ケイ茶です。
今回はノベルゲーム会社を設立する際に、資本金は幾ら用意した方が良いのか。
という話です。
個人的な理想は100万円~999万円
最初に書いておくと、なぜ1,000万円ではないか。という点。
実は資本金が1,000万円以上になってしまうと、税金面が絡んできます。
特に重要そうなのが消費税の免税対象事業者(設立後2年間は消費税を納める必要が無い)は1,000万円以下の場合のみです。
ただし、一概に免税事業者になれば得という話でもないので、このあたりは確認が必要かと思います。
(売上と経費の関係によって変わってくるようです)
弊社の場合は創業資金に1,000万円もなく、100万円でのスタートですので悩む前から決定していましたけれどね。
資本金1円ってどうなの?
確かに今は株式会社は資本金1円からでも設立できます。
でも、資本金は事業のためにつかうお金。
1円では何もできないと思います。
融資に頼るとか、設備は持っているし他にはお金がかからないから必要ない。
という場合は除きます。
例えば、ノベルゲーム会社の場合は設備(PCがあればとりあえずはOK)があって、ソフトは完成後ダウンロード専用販売。(パッケージ化費用はかからない)
素材も全部自分で作る(シナリオ、イラスト、BGM等)もしくは無料素材を使う等。お金をかけない。
この場合は資本金1円でも問題ないかと思います。
ただし、そのような状況を除き資本金は基本的にはある程度は必要です!
ノベルゲーム会社における「ある程度」の資本金とは?
1.従業員の給料
最初のタイトルを発売する前に必要な給料。
もしも、自分ひとりの会社でとりあえず報酬なしでスタートするなら考えなくても良いでしょう。
ただし、何人か社員を雇ってと言う事でしたら、必須項目です。
最初のゲームタイトルを出す前にはお金は入ってきませんので、それまで支払うための分は確保しておく必要があります。
2.開発費用
これは必須ですね。
ただし、どこまで自分達で出来るのか、どこまで外注にお願いして、いくらでやってもらうのか。
これにかかっています。
弊社の場合も基本的に資本金100万円の使い道はここになっています。
いくら掛かったのかは具体的には書けませんが、資本金100万円をつかっておりますので、100万円以下で少なくとも「一緒に行きましょう逝きましょう生きましょう」は開発されているという事です。
これがあくまでアプリの場合で、もしも大作ノベルであるとか、コンシューマゲーム等を考えているのであればとても資本金100万円では足りません。
その場合は、開発規模に応じて資本金を考える必要があるかと思います。
(もしくは外部からの融資を検討するか)
ウォーターフェニックスの開発費はあくまで「完全自己資金」
でも別の方法もあります。
ちょろっと書いておきます。
弊社の場合は開発費=完全自己資金です。
なので、融資を受けたりして借金にはなっていません。
あくまで、自己資金のある範囲で作る。という感じで調整しております。
ただし、別の方法として自分のゲームの企画をスポンサーなり、他の企業なりに持っていき「開発費」を出してもらう。
という方法もあるようです。
そのような話を聞いて、なるほどな~と関心しました。
なので、まずは企画を作って、そこからスポンサー企業にお金を出してもらい、その金額内で開発をする。
このような方法もあります。
ただ、弊社みたいな題材のゲームだとなかなかお金を出してもらえないかも?
と思うので、今のところ私は自己資金でやるのが一番かなと思ってはいますが・・・。
この方法の場合は「売れる」企画もしくは「売れる根拠が言える企画」を持っていく必要がありますので、ある程度のプレゼン能力も必要かもしれません!
このあたりの事を考えた上で、資本金の額を考えると良いかと思います。
さて、次回は「その他、創業のヒント等」について。
今回の会社設立編においては以下の本を参考にしております。
また、実際に私が会社を設立する際にも使用した本です。
この1冊があれば、会社設立前の準備~設立まで本当に一人でも出来ますので、設立の際にはお勧めします!
株式会社ソーテック社
「会社設立のしかたがよくわかる本」
http://www.sotechsha.co.jp/bs/html/878.htm