企画編84「作り手と受け手(プレイヤー)の認識・感情の違いに注意!」 第146回ウォーターフェニックス的「ノベルゲーム」のつくりかた
第146回 企画編84「作り手と受け手(プレイヤー)の認識・感情の違いに注意!」
執筆者:企画担当 ケイ茶
他の会社さんや、個人のクリエイターがどうやってノベルゲームを作っているのかはわかりません。
ここに書かれているのは、あくまで私達「ウォーターフェニックス」的ノベルゲームのつくりかたです。
企画編一覧はコチラのページにまとめてあります。
ケイ茶です。
今回は、作り手と受け手の意識、感情には違いがあります。
という事について書いてみたいと思います。
作り手は、作っていて麻痺します⇒受け取り手(プレイヤー)側との差が生じます。
絶対とは言い切れませんが、クリエイターがずっとユーザー目線で「面白いもの」を作り続けることは非常に困難だと思うのです。
クリエイターとはいえ、ゲームを作るのであれば自分が好きなゲームもあるでしょうし、ノベルゲームであれば好きな物語があるでしょう。
だったら、客観的に今自分が作っているものが「面白いのか」「面白くないのか」そして「受けるのか」「受けないのか」それが判別つきそうに思いませんか?
私もそう思っていましたし、そうありたいと常々思ってはいます。
ですが、それは簡単な事ではないと実感するのです!
なぜか?
作り手は自分の作品が一番面白いと思って作る、また愛着があればあるほど、他の作品との比較が容易ではなくなってくるのです。
自分の作品が可愛過ぎて、良いと思いすぎて「これが一番」という気持ちで作るわけです。
そのため、自分の作品の弱点や荒を自分で発見する事が難しい事も多々あります。
第三者に言われるまで気付かなかったり、リリース後の反応で判明したり。
そして、作っている最中にふと「今、作っているこれは面白いのか?」そう思う事も何度もあります。
自分が面白いと思っている他の作品と頭の中で比較したり、客観的に考えてみようとも試みます。
しかし、正当な判断はなかなか下す事ができないのです。
「面白いの?」「面白くないの?」⇒今作っているもの、自分の感性、自分にとっての面白さを信じて出すしかない!
そうなってしまうのです。
なので、正直なところリリース後の反応はいつもハラハラものなんです。
(同じようにリリース後の反応が気になるクリエイターも多いのではないでしょうか・・・?)
うちの場合は実際に完成まで至ったタイトルに関しては、その当時は「何らかの自信」もしくは「作るだけの愛」があるんです。
この作品を世に出したい!そう思っているのです。
そこまで至らなかったモノは基本的にはボツになったり、完成しない事になります。
なので、作り手としては本気で面白と思って作っている。
でも、それが確実に受け取り側とイコールになるかどうかは、出してみるまで分からない。
事が多いと思います。
もちろん「最初から最後まで自信があって」その上で受け取り側の反応も良かったら「よしっ!他の人にも面白いと思ってもらえた!」と喜びます。
逆に自分達の自信があったのに、反応がイマイチだと凹む事もあるでしょう。
それでも、1タイトル毎に反応を見て、そこから何か参考にして。
そして、次に進んで行くしかないと思います。
完全に作り手と受け手がイコールになるのは稀でしょうが、それでもなるべく差を少なくする努力は出来ると思うので。
この辺り、チームメンバーに信頼のおける編集者と言いますか、クリエイターとプレイヤーの差を埋めてくれる人物がいるか、いないか。
これも大きいかもしれませんね~。