企画編94「一人の人間の限界~違う雰囲気の作品を作り続ける困難~」 第156回ウォーターフェニックス的「ノベルゲーム」のつくりかた
第156回 企画編94「一人の人間の限界~違う雰囲気の作品を作り続ける困難~」
執筆者:企画担当 ケイ茶
他の会社さんや、個人のクリエイターがどうやってノベルゲームを作っているのかはわかりません。
ここに書かれているのは、あくまで私達「ウォーターフェニックス」的ノベルゲームのつくりかたです。
企画編一覧はコチラのページにまとめてあります。
ケイ茶です。
どうしても、一人の人間の企画・プロットには限界があります。
自分の趣味や、知識、経験、好きなもの、嫌いなものーそれらが同じなのですから。
類似作品を作り続けるか、限界を破るのか?
一つの方法として、自分の限界を極めると言う方法。
自分の得意ジャンルはコレだ!これしか作ることが出来ないから、その部分を徹底的に極めてやる!
と同じような雰囲気、ジャンルの作品を作り続けて、更なるクオリティアップをしていくという方式。
これはその手の作品のファンが付きやすいという利点もあります。
ただし、またこれか。
この人、同じような物語をずっと作っているよね?ネタ切れかな?と思われる可能性もあります。
(実際、そうなのかもしれませんが)
作家が皆さんそうなのかはわかりませんが、得手不得手は絶対にあります。
そして自分の好きなもの、嫌いなものもあるはずですし、一人の人間が持っている知識や経験も限度があります。
そうなると、何タイトルか作品を作るとどこかで詰まってきます。
あれ?このネタ前にもつかったような・・・。
前の作品と企画やプロットが被っている。
⇒このような事が起こってきます。
作り手としても別のものを作りたいと思いつつも、毎回同じようになってしまう苦痛、苦難がつきまといます。
それを受け入れた上で、徹底的に極めるというのが第一の方法。
限界を破れるのか?
そして、第二の方法として限界を破る。
自分の持っている知識や経験や好き、嫌いを破った上で、違ったものに積極的に挑戦していくと言う方法です。
こちらの困難もかなりあると思います。
だって、今までは自分の好きなもの、自分の中にあるものを出してきたのが、これからは自分にはないものを出さなければいけないわけですから!
その場合は、沢山の本を読んでジャンルを広げたり、知識を得たり。
普段は行かないような場所に行ったり、普段はしないような経験をしたり、自分の嫌いな事をやったり・・・。
ある意味、人間として変わっていく、新しい様々な事に挑戦し続ける必要があるからです。
しかも、それが楽しいと思えればよいのですが、全て楽しいとは限りません。
そして、問題となるのが自分の好きではないもの、楽しいと思えないものから作られた作品が面白いのか?という根本的な部分。
確かに、新しいものは作れるかもしれませんが、それが苦痛の上で生み出されたものだとしたらどうでしょうか?
それでも面白いと思ってもらえれば問題なし。
しかし、それが面白くない、前の自分の好きなものを極めた作品の方が面白かった。と言われてしまえば受けるショックも大きいでしょう。
貴方はどちらですか?
自分の好きなもの、作りたいジャンルを極めますか?
それとも、途中から新しい分野へと進出しますか?
後者はかなり大変な道のりだと思われます。
あえて、いばらの道を行き、その上で自分の好きなものへ戻ってくると、また違ったものが書けるかもしれません。
ただー、どちらを選ぶにしても、どちらを選ばないにしても、2本目-3本目と作っていく上では努力は絶対に必要だと思います。
長い時間悩み続けて、別のネタを出すか。
長い時間をかけて、新しい経験をしたり、色々な知識をつけるのか。
どちらにしても、楽して作品を作り続けるのはほとんど不可能だと私は思いました。
特に、あまり苦労をする事なく「すんなりと自分の納得いく作品」が作れてしまった後の作品は本当に苦痛で、戦う必要があります。
そう考えると、何十年も様々な作品を出している作家さんがいかに凄いか。
これがわかってきますね。
それとは逆に、一本の作品をずっと継続して、極めている方もいますし。
(これはこれで、かなり凄い事)