企画編10「十二死学園のキャラクター設定より、私のキャラクターの作り方」 第12回ウォーターフェニックス的「ノベルゲーム」のつくりかた
第12回 企画編10「十二死学園のキャラクター設定より、私のキャラクターの作り方」
執筆者:企画担当 ケイ茶
他の会社さんや、個人のクリエイターがどうやってノベルゲームを作っているのかはわかりません。
ここに書かれているのは、あくまで私達「ウォーターフェニックス」的ノベルゲームのつくりかたです。
<企画編 一覧>
企画編1「ヤツ(アイディア)はどこからやってくる?」
企画編9「作者の都合でキャラクターを動かすとこうなる!(実例)」
ケイ茶です。
この企画においては、うちのゲームの事や開発方法をあまり隠さずに出しちゃっています。
作り方が独自なのかどうかはわかりませんが、あまり出し惜しみせずに自分達のやっている事を公開しているつもりです。
そして、なんで前置きでこんな事を書いたかというと
今回は現在開発中の「十二死学園」(仮題)の、とあるキャラクターの設定をそのまま掲載してしまおうと思ったからです。
一部は伏せますが、基本的にはオリジナルデータそのものです。
これが実際にどうやってシナリオに入って、キャラクターのアクションになるのか。それは本編をお楽しみにしていて下さい!(宣伝)
◆十二死学園のキャラクター設定はこうなっている!(実例)
オリジナルデータを基本はそのままコピーしてきました。※の部分は秘密にさせて下さい。
名前:夜龍院 耀
<キャラクターイラスト>
※ここは秘密!
ドラマ上の欲求(脚本中で成し遂げたい事)
「レイラを守りたい」
↓とある事があって(※秘密)
「※ここも秘密」
■基本プロフィール■
<1.性格>
強気で計算高くプライドが高い
フリをしているが、かなり臆病である。
<2.職業>
会社社長兼大学1年生(海外有名大学)
<3.趣味>
ビリヤード(表向き)
ジグソーパズル
<4.健康>
健康体
<5.家族>
父母妹との4人暮らし
現在は別居
<6.年齢・誕生日>
19歳(誕生日 1月17日)
<7.血液型>
B型
<8.好きな食べ物>
フカヒレ(鮫を征服するようなイメージ)
(あこがれ)
<9.物語における成長>
本当の「リーダー」とは何かを知る。
臆病を克服する。
■その他・設定◆人種 種族 国籍日本人
◆社会的地位 職業 信仰する宗教 大学生 ◆好きな物事、嫌いな物事、趣味 癖 ポリシー 癖:人を見下す態度をよく取る ◆長所 短所 長所:妹思い。 短所:臆病すぎるところ ◆知性 知識 知性:高い 知識:幅広い知識を持っている。(経営学や医学、最新技術など) ◆特技
◆武器 武術 魔法 その他の能力 ◆履歴 過去のトラウマ レイラを守れずに危険にさらしてしまったという後悔 ◆弱点 レイラ ◆一番恐れているもの レイラを守れない事 ◆学校ではどんな友達がいたのか <小学校> 家庭教師 <中学校> 家庭教師 <高校> 初めての学校での集団生活。耀は勉強でも運動もずば抜けて秀でており、皆の注目の的となる。そして、友達というよりは惹き付けられた人を自分の部下として使う存在として扱う。(演じている) ◆何に興味を抱いていたのか 人を束ねるリーダーとしての資質 ◆学校での生活はどんな感じだったのか 成績優秀、いつも中心的で委員会や部活動などに参加して皆をまとめあげていた。 ◆運動はしていたのか? 運動はビリヤードをやっていた。また、それ以外のスポーツも基本的に何でもこなした。 ◆社会に対する関心、政治的関心 高い。自分で社会や政治を変えようと思っている。 (自分から動かしていきたいと思っている) ◆課外活動に興味を持っていたのか? 興味はない ◆同級生との関係は? 自分が導いてあげなければいけない自分より下の存在として接していたが、実は対等の立場で遊びたかった。
◆アルバイトは? していない。 ◆兄弟との関係は? 事業失敗までは仲が良かったが、事故の後、意見が対立し、喧嘩をしたまま。 だが、レイラの事はずっと好きであり見守っていた。
◆嫉妬や敵意を抱くことがあったのか? 自分より優秀なもの、自分に従わないものに敵意、嫉妬を抱く。 そして、それを超えようとする、もしくは押さえつけようとするふりをしているが、内心とても恐れていた。 ◆教師との関係 良好、むしろ教師に頼られる存在。 ◆両親との関係 良好ではあるが、仲が良いというわけではなく、尊敬の対象。 ◆友人の数は多いか少ないか 多くの人と付き合う。(ただ、友達というより自分に従う人間という認識) ◆いじめは? ない。 ◆夢や希望、野心 自分が世界を動かすようなリーダーになる事。でもあるが、その反面普通の生活にもあこがれている。 ◆ <プライベート> ◆一人のときは何をしているのか? 読書や趣味(勉強や、役立つと思ったこと) まわりの人間についての考察、指示を考える。―自分に賛同する人を作る。 思い悩んだ時にはジグソーパズルで心を落ち着かせていた。
◆ペットを飼っているか? 飼っていない。がペットを飼いたかった。 |
■ 生い立ち(1)1~5歳完璧な母、父のもとで育てられる。分刻みのスケジュールで経営の事を中心に家庭教師をつけて勉強を行う。
臆病な性格なため、積極的になれず父母に心配されたが、レイラが生まれた事により兄としての自覚を持ち、完璧な人間になろうと完璧な人間を演じ始める。 人はリーダーが従えなければならないと父親から言われ、それを真に受けて育つ。 (2)6~10歳 妹と共に父親に対して嫌悪感を抱くようになる。(10歳くらい) 自分の分刻みのスケジュール、無理やりの勉学、自分の主張を聞いてくれない父親に怒りを抱く。また、同時期に父親の会社のリストラ問題、ストライキ問題 (ストライキに参加した社員をリストラにした父親の横暴ぶり) 妹と一緒に父親とは違った人の従え方をしようと考えるようになる。 父親に直接文句を言うレイラ。耀も冷静に反論はするものの、結局父親の命令に背くことは出来ない。(レイラは背く) 耀はレイラと耀が中学を卒業したら一人前の大人として家を一緒に出ようと話しかける。(それまではお金を貯めたり、準備をする)
(3)15歳の時※レイラ12歳の時 レイラの中学卒業と同時に独立しようとするレイラと耀。 父親に訴えると、独立を認める条件として工場の経営を半年任せて、結果がよければ自由に独立する事を認めるという。 失敗した場合は家を出て行くか、父親の言うとおりにする事が条件。
<任された工場>おもちゃ工場で建て直しが必須だった。
耀とレイラが共同で耀の考えたアイディアの商品をレイラと耀で協力して生産→大ヒット その商品開発で得た技術を元に新たな商品を作りたいという1従業員(技術者)の提案。 耀はそのアイディアを見て、予算がかかり、ヒットするか失敗するか博打的な内容を承認しない。 そして、自らの考えた新シリーズの生産に取り掛かるように指示。 レイラはやっても良かったのではないかと考えている。
そのうちに、社内の情報が流出しているとの情報が入り、調査をすると、例の従業員が漏らしていたことが判明。クビを宣告し訴えると考えた耀。 しかし、レイラは今までの経緯を知っていたために、その従業員をクビにするという耀の考えに断固として反対。 そして、作りたいといっていた商品を作らせてみたいと耀に言い、無理やり新工場を作ると行動に起こすレイラ。
耀は内心は不服だったが、レイラがいう事なので信じて、子会社としてレイラを独立させる。 そして、レイラを指示するメンバーが中心となって新商品を開発し、売り出すが全く売れず。新会社は破産してしまう。 それによって、全従業員は雇用先がなくなり、本社にも戻る事ができない(耀や父親が許さなかった)
耀は自らがしっかりしていなかったために、レイラとその従業員を守れる事ができなかったと自らの力の無さを悔やむ。 レイラは自らのせいで、従業員が仕事を失った事を悔やむ。しかし、今後もなるべく人がやりたい事をやらせてみたいと思い、それをサポートできる力を養いたいと思う。 ※レイラの会社に行った従業員の多くはレイラを責めない。むしろ失敗はしたが感謝している。(※全員が全員そうではない) レイラは父親とも対立し、従業員の再雇用先を見つけながらも、最終的には家を出て海外に留学する。(自由度が高い学校)
=後付話 レイラによって他社で再雇用された元従業員は数年後に、新しい企画の商品を出して有名になっている。 レイラには人を見る力があるという事! 耀は天才型。人を見る目はレイラのほうが上。
(4)17歳~現在 17歳、学校での成績も優秀、自分に従う人間を持ち、社会に出るための準備をすすめていた。 そんなある日、出張で会議に行く途中に何者かにさらわれる。 この時点で耀は夜龍院の後継者としての地位を築きつつあるが、夜龍院の血に飲まれてきている。 |
■ ゲーム本編での最初の行動、スタート方法そして、気づいた時には何も知らない場所に居た。そこには数年前に家を出て行った妹(レイラ)もいた。 |
どうだったでしょうか?
設定だけだとなかなかピンと来ないかもしれません。
この設定を私が作って、それをRに渡します。
そして、十二死学園に関しては、この設定を元に各キャラクター毎に過去編を作るという方法を取っています。
そうする事によって、それぞれのキャラクターの過去から現在が描かれ、キャラクターを掴む事ができるからです。
そして、過去編がある事によって、本編におけるキャラクターの行動にも説得力が生まれてくるはずです。
「十二死学園」においては、個性的なキャラクターが多く、シナリオを執筆していると本来のプロット(物語のあらすじ)から外れる事も多くあります。
その都度、修正は必要なのですが、これがキャラクターが生きている。
という事なのだと思っています。
とりあえず、これくらいでキャラクター編は終了します。
(キャラクターに関するより詳しい話に関してはシナリオ編でRが書くようですので、そちらで)
次回は「私が使っているアイディア出し、プロット制作の道具を紹介!」