シナリオ前の準備編4「書き始める前に確認する事」 第37回ウォーターフェニックス的「ノベルゲームの作り方」
第37回 「書き始める前に確認する事」
執筆者:シナリオ・イラスト担当 R
他の会社さんや、個人のクリエイターがどうやってノベルゲームを作っているのかはわかりません。
ここに書かれているのは、あくまで私達「ウォーターフェニックス」的ノベルゲームのつくりかたです。
こんにちは。Rです。
今回は少し休憩回として、物語を書き始める前に決めておかなければ困る事や、準備しておいた方が便利なものについて書いていきます。
詳しく書くと一記事かけそうな話もありますが、とりあえず今はサラッと概要だけ。
◆呼ばれ方はなんですか?
◆どんな風に表示されますか?
◆それは、誰から見た物語ですか?
◆ファイル名、決まってますか?
◆何を使って書きますか?
◆呼ばれ方はなんですか?
まず準備するものが、キャラクター同士の呼称表です。
誰が、誰からどう呼ばれるのか。たかが呼び方ですが、されど呼び方です。
そんなところにも、キャラクターの個性や関係性が出てきます。
たとえば、粗暴で馴れ馴れしいキャラクターがいるとします。
そのキャラクターは年上も年下も、初めて会った人も名前を呼び捨てにする。「おい○○」という風にです。
けれど、たった1人。とある同級生だけは○○さんと呼ぶ。
それだけで、このキャラクターにとってこの人は特別な存在なんだな、と感じさせる事ができるのです。
他にも、全員にあだ名をつけるようなキャラクターなら気安い印象を与えますし、逆にどんなに親しくなっても苗字+さん付けに徹底していると、どこか一歩引いているように感じられます。
そうしてそれぞれのキャラクターが好き勝手に他人を呼ぶと、誰が誰をどう呼んでいるのかわからなくなっていくので、しっかりと必要があります。
メモ帳に簡単に書いておくだけでも良いのですが、上記のように表としてまとめておくと、見易くて便利です。
◆どんな風に表示されますか?
画面上で、どのように文章が表示されるのか。
これは、ノベルゲームを作る上で常に意識しなければならない事だと思います。
というのも、それを把握せずに書いていると、いざノベルゲームとして形作った時に、文章が画面からはみ出します。
その場合、変なところで途切れてしまったり、最悪、文字が見えなかったり……。
その都度なおしても良いのですが、すべての箇所でそんな事があるととても面倒なので、やはり基本的には最初に文字数を理解したうえでシナリオを書き始めるのが無難です。
では、その文章表示はどのようにして決めるのか?
それは、実際に表示してみるのが一番でしょう。
すでにノベルゲームのスクリプトエンジンが決まっていれば、それを使用して文字を表示。
決まっていない場合でも、プレイ時の画面サイズを決定して真っ白い画像を用意して、その上に自分で文字をならべるだけで雰囲気は出ます。
こうして1行に表示される文字数が決まったら、テキストエディタの設定を弄り、実際のゲーム画面上と同じ文字数で折り返しされるようにしています。
便利です。
◆それは、誰から見た物語ですか?
物語を書くうえで外せないのが、視点ですね。
「僕は~~をした」という風な1人称にするのか。
それとも、「彼は~~をした」という3人称にするのか。
視点に関しては詳しく説明しているサイトなどがあるので割愛します。
私はそのあたりは大雑把に、
・1人称は感情移入がしやすいけれど、状況説明が難しい
・3人称は説明がしやすいけれど、感情移入をしにくい
と考えています。
なので、そのどちらが作品に合うのかを考えて決めます。
ちなみに「一緒に行きましょう逝きましょう生きましょう」では、主人公の感情を多めに表現したかった事と、読者になるべく共感してもらいたかったので1人称で書く事にしました。
◆ファイル名、決まってますか?
これは、様々な事に言えるものだと思いますが……管理するというのは大事ですよね。
特にパソコン上だと、ファイル名を整理していないと悲惨な事になります。
あのデータがない。ああ、このデータはどこに入れたんだっけ。検索してみよう。でも検索するにも何をキーワードにすればわからない。
そもそも、そんなデータ存在したのかさえ疑わしい。
……などという事になってきますよね。
なので実際にシナリオを書き始める前に、シナリオファイル名を決めておきます。
大体は、○○01、○○02などのシンプルなものなので特に悩む必要もありません。
地味ですが、これが本当に重要なのです。
◆何を使って書きますか?
実際にシナリオを書くうえで、何を使うのかというのは人によって好みがわかれると思います。
紙にペンで書く人。パソコンで書く人。携帯端末で書く人。
どれかしか使わない人から、複数を使用する人まで様々だと思います。
自分に合ったものが見つかると、より効率的にシナリオを書く事ができるはずです。
ちなみに私の場合は、時と場合によって使い分けています。
ちょっとしたアイディアやワンシーンを書く時は紙とペン。
基本的なシナリオはパソコン。疲れた時や、誤字脱字のチェックはスマホで、という感じです。
それでは今回はこれぐらいにして。次回から、いよいよシナリオ編です。