ノベルゲームの良し悪し編2「短編も長編もシナリオライターの思い通りに作れる」 第129回ウォーターフェニックス的「ノベルゲーム」のつくりかた
第129回 ノベルゲームの良し悪し編2「短編も長編もシナリオライターの思い通りに作れる」
執筆者:企画担当 ケイ茶
他の会社さんや、個人のクリエイターがどうやってノベルゲームを作っているのかはわかりません。
ここに書かれているのは、あくまで私達「ウォーターフェニックス」的ノベルゲームのつくりかたです。
ケイ茶です。
今回は物語の尺という意味でノベルゲームはかなり字由度が高い!ということについて。
ただ、この事については以前、別の記事でも書いたと思いますので、内容が被ってしまっていますが・・・。
と書いていたら、企画編26の記事を発見しましたので貼り付け。
ノベルゲームはボリューム(テキスト量)が他媒体より凄くなりやすい!
だって、前回に書いたノベルゲームにおける「短編」
それでも~5時間くらいあるんですよ?そして、一般的に売られているゲームだとボリュームは30~多くて70時間とか80時間以上ってものもあります。
しかも、同じゲームであってもRPGと違って、基本的にそのボリュームはシナリオ(物語)部分=テキスト部分なんです。これって、実はかなり凄い事なんじゃないかと思うのです。
他の媒体と比べてみましょう。
映画であれば、長編でも3時間くらいかと思います。
本(小説)これはシリーズものになると膨大なものもありますが、普通は多くても前編後編くらいで、読む時間としても~5とか本当に分厚くても10時間未満だと思います。
アニメだったら1クールでも12話、2クールでも24話。
時間にすると、~多くても13時間くらい(1話30分として)こうやって考えると、いかにノベルゲームのテキスト量、物語のボリュームが大きいかわかってもらえると思います。
物語を伝える媒体で、一番長く楽しめる、テキスト量が多い物ってノベルゲームではないでしょうか?
なぜ、ノベルゲームは長くなりやすいのか?
逆に考えると、ノベルゲーム以外の媒体って時間に関する制約が大きいのです。
映画でノベルゲームのように60時間とかやろうとしたら、どうなりますか?まず、上映時間の問題があります。
最大でも3時間くらいが限界ではないでしょうか。
そうすると、3時間の上映を20回くらい(毎年1回公開として、20年!)やらないと60時間はいけません!小説だってページ数の問題があります。
電話帳みたいな小説ってありますかね?(あったらごめんなさい)アニメだって、放送時間、放送期間の問題があります。
じゃあ、ノベルゲームは?
⇒いくらでも、増やせます。
テキスト量を増やしたところで放送時間とか、上限がありません。
シナリオライターの思うがままなんです。しかも、基本的にデータですので、ページ数も関係ありません。
上映するわけではなく、プレイヤーが自由に読んだりやめたりできます(セーブロードで好きな時に読み、やめて、続きを読む)
さらに、予算的にもシナリオが増えたから予算が一気に増えるなんて事はありません!映画やアニメだったら、時間が増えた分実写映像や、アニメーションが必須です。
ノベルゲームで時間が増えても、立ち絵だけの表示で乗り切ったり、イベントCGを数枚追加くらいで済んでしまう事が多いです。良くも悪くも「物語そのものを伝える事」それができるのがノベルゲームです
なんかノベルゲームって凄いと思いませんか?
書き手が好きなように書いて、無理して削って時間内に収める必要もなく、納期の問題はあれど自由度が高い。
しかも、予算は他の媒体に比べるとかからない。これが最大の魅力かと思います。
ただし、もちろん弱点もあります!
好き放題書けるので、ライターによっては無駄に長くなることがあります。
特に日常描写が長くなってしまい、本題に入るまでが暇と感じる事が多いのもノベルゲームなのかな?とも思いますし。プレイヤー側としても、ノベルゲームの読む時間が100時間とかになると、本当に時間がかかります。
時間がないとなかなか最後まで読めません!しかし、その分、シナリオライターの思いをダイレクトに伝えることができ、他の媒体より長い時間「物語」に入りこませることができれば、キャラクターやシナリオに愛着がわき、感動が大きくなる。
という可能性が高いわけです。ノベルゲームにおけるキャラクター別ルート
恋愛ゲームによくある、キャラクター別にスポットをあてたルート分岐。
これは他の媒体ではなかなかできません!できたとしてスピンオフ作品にすることが多いでしょう。
ただ読むノベルもありますが、このようにルート分岐ができ、横の広がりが広いのもノベルゲームの物語の特徴であり、優れている部分であります。※ただし、ノベルゲーム原作でアニメになった作品は結構頑張ってます。
イベントは削ったりと、努力をした上で、個別ルートまで再現しているものも多いです。まとめとして
ノベルゲームはシナリオライターの自由に書き放題!しかし、その分長ったらしくなりやすいので、注意が必要!
と以前の記事で書いた通りです。
ノベルゲームはボリュームはいくらでも調整可能です。
他の媒体に比べてのボリュームの制約は少なく、書きたければ書けばよいし、短くても良いのです。
ただし、ユーザーにはある程度のボリュームが求められているのか?
という問題があります。(特に有料の場合)
実際問題として5,000円~10,000円(フルプライス)で売るのであればボリュームはある程度は必要です。
最低でもシナリオテキストが1Mは必要かと思います。
そして2M、3M~とそれこそプレイ時間が30、40時間以上という作品も多いです。
ただし、上記の記事でも書きましたが「長ければ良い」というわけでもないので注意が必要です。
それでも3時間くらいで終わってしまうゲームを5,000円で売ったら多分怒られます。
ボリュームと価格は比例するとは言いませんが、価格にあったボリューム。
もしくは、価格にあった内容は必要かと思いますので、そのあたりは上手く調整してください。
今はボリュームが少なめ(~10時間とか、キャラクター2、3人とかの恋愛ゲーム)のタイトルはロープライス(2,000円前後くらい)で売られています。
もしくは、アプリとして100円~1,000円くらいで売られています。
中には、同人ゲームではありますが、数十時間のボリュームなのに完全無料。
という所もあり、尊敬しつつ、驚きを感じてしまいますね。
話が脱線していますが、ボリュームは自由にできますし、シナリオライターの好き放題です。
ただし、その分価格設定や内容を考える事は大切だと思います。
例えば、3時間で5,000円でもグラフィックや演出に力が入っており「演出が凄く、ストーリーも面白い3時間」だったら納得してもらえるかもしれません。
でも、同じ3時間5,000円でも「イラストも少なく、ストーリーも面白くない」だったら、これはユーザーさんをがっかりさせる事になります。
5,000円でボリュームもあって、イラスト等も頑張っているけれど「面白くない」と言われたら?
それはもう、ごめんなさい・・・と言うしかないです。
面白いか面白くないかは人によって違うので、ここだけは難しいところです。
100人中100人につまらない!と言われたら、さすがに大問題なのですが・・・。
それを避けるために、冒頭部分を体験版で公開して、ゲームの雰囲気を楽しんでもらうという事も大切かと思います。
そうですね。
ボリュームがあるからこそ、そしてゲームだからこそ内容を確かめてもらう「体験版」が出せる!
これも、ノベルゲームを選ぶ利点かと思います。
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