企画編9「作者の都合でキャラクターを動かすとこうなる!(実例)」 第11回ウォーターフェニックス的「ノベルゲーム」のつくりかた
第11回 企画編9「作者の都合でキャラクターを動かすとこうなる!(実例)」
執筆者:企画担当 ケイ茶
他の会社さんや、個人のクリエイターがどうやってノベルゲームを作っているのかはわかりません。
ここに書かれているのは、あくまで私達「ウォーターフェニックス」的ノベルゲームのつくりかたです。
<企画編 一覧>
企画編1「ヤツ(アイディア)はどこからやってくる?」
ケイ茶です。
前回はキャラクターは作者の都合ではなく、キャラクター自身の行動が大切。
という事を書きました。
私はこれが最初全く実践できておらず、理解できるまでは時間がかかりました。
特に、同人ゲームとしてリリースした1作目「記憶人形の記憶喪失」ではそれが顕著に表れていました。
今回はあえて「記憶人形の記憶喪失」を取り上げることにより、キャラクターの行動について実例を紹介してみようと思います。
◆「記憶人形の記憶喪失」に見る、作者の都合で動くとこうなる!(実例)
このキャラクターが、物語の展開が進むと次のようになります。
元々、他人の気持ちを考えられず、他人に酷い事をしていたキャラクターが
物語の展開が進むことにより本当は良い人だった。という面を見せて、他人にした事に対して謝るようになります。
これ以外にも「記憶人形の記憶喪失」においては
・影が主人公で、影は人間と会話すると殺されてしまう⇒しかし、普通に人間に話しかける。
その話しかける切っ掛けもあまりなく、気にいらない人間に対して突然話しかけるのが最初。
・最後の敵があっさりと説得を受け入れて問題が解決
など、今再び少しプレイしつつ、考えてみたのですが全体的に未熟な点ばかりが目立っています。
何よりも問題なのが、それぞれのキャラクターの性格は決めていたのですが、彼らの人生、行動理由がまったく考えられていなかった点。
熱血的なキャラクター⇒なんで熱血的になったの? 何があったのか。
いつも他人に冷徹だけど、実際は良いやつ⇒では、なぜいつも冷徹にしているのか。どのような切っ掛けがあって良いやつにかわっていくの?
「記憶人形の記憶喪失」においては「人は変われる」をテーマにしたのですが、正直な所、作者によって物語の展開で変えられた。
のだと思います。
今思い返すと未熟な点ばかりが目立つ「記憶人形の記憶喪失」
ただ、設定を見ると
・死ぬ影と死なない人間
・人の心の中に入れる影
・影の世界と人間の世界
等、上手くキャラクターと設定があえばもっと良い展開に出来るだけの要素はあったと思います。
いくら設定や世界観を考えても、キャラクター自らの行動(アクション)
それが無ければ、作者の都合によって動かされるキャラクター&物語になってしまいます。
私もこの部分に関しては今後もしっかりと考えていかないといけないな。と思います。