【ウォーターフェニックス作品キャラクター対談 第7回】『結婚主義国家』【雛菊】
本連載について
今までのウォーターフェニックスの作品のキャラクターにスポットをあてて
企画担当のケイ茶とシナリオ・イラスト担当のRの対談を文字にしたものです。
不定期連載で日曜日に掲載していきます。
★注意
・「結婚主義国家」本編についての重大なネタバレあり
・他のウォーターフェニックス作品のキャラについても、大きなネタバレではないものの(それぞれの作品の序盤でわかる程度の情報に)触れている部分があります
【ウォーターフェニックス作品キャラクター対談 第7回】
『結婚主義国家』【雛菊】

◆雛菊の性格のここが好き
【ケイ茶】大人のフリをしている子供。っていうところがいいかな
困難がありつつも前を向いて頑張っている姿がいいよね。
【R】そうだね。一生懸命で真面目なところが好き。
【ケイ茶】結婚主義国家の中では幼い方なんだけど、色々と本人なりに考えて頑張っている所が応援したくなるね。
【R】諦めないところがいいよね。
色々とダメな事は自分でわかっているんだけど、それでもなんとかしようとする。
そんな、夢を見る子供っぽさがいい。でもその期待通りにいかない現実を知っていって葛藤するところも好きなポイント。
【ケイ茶】雛菊は本気で無茶を言うところと、ワガママのフリをしているところがあるよね。
【R】信治に最初に「付き合って」と言うところは本当に子供っぽい発言だよね。
世間は色々ダメだって言うけど、自分達ならうまくいくはず。と考えている所が幼さ。
【ケイ茶】最初は夢を持っている子供としての面が大きいよね。
【R】そうだね。
その頃は、他の友達にも「私、信治って人が好きなんだ」とか言っていたかもしれない。
【ケイ茶】でも、周りにはそれを否定される?
【R】そう。周りは悪気なく「えー? それおかしいでしょ」って反応をする。
あと、「やめときなよ」って言われるね。
【ケイ茶】この年にして、この世界の現実を知ってしまうわけだね。
雛菊はそうやって、少しずつ現実を見て雰囲気が変わっていくよね。
【R】それでも、「年齢制限」の時点ではやっぱりまだ夢を捨てきれていないよね。
もしかしたら上手くいくかもしれない。奇跡が起きて欲しい。と思っているのが年相応で良いと思う。
そこから、「奇跡が起きなくても自分で何とかしよう」としているところも雛菊らしいね。
諦めきれないから一生懸命あがくところがいいよね。
【ケイ茶】(Rは)足掻くキャラが本当に好きだよね?
【R】そこが美しいと思っているから。書いていて楽しいところ。
【R】で、雛菊もそうやって足掻くわけだけど……。
本当に道を外れる行動はしない。というのも大事だね。
【ケイ茶】たしかに。信治を苦しめる気はないのも良いところだね。
◆雛菊の見た目のここが好き

【ケイ茶】見た目は、明らかにRが好きそうなキャラデザだよね。
髪が白いし、露骨に趣味が出ているよね。
【R】そうだね。幼さが出ていてお気に入り。
最悪なる災厄人間に捧ぐを先にプレイした人からは「白いクロ」って言われたりするんだけど、自分では、クロのデザインと被っているという認識はなかった。
【ケイ茶】まぁ実際はこっちの方が先に作っているから、「クロが雛菊に似ている」というのが正しいね。
【R】そう。クロを描いた時、雛菊と同じ髪型、という意識がなかった。
無意識に同じ髪型になっていたから、やっぱり趣味が出ているんだと思う。
【ケイ茶】この髪型がいいんだ?
【R】「子供っぽさを出したい」と思った時に、髪の毛を縛って欲しいという気持ちがあるんだよね。
とはいえ少し描き方として違う部分もあって、雛菊の場合は単純に幼さの象徴として髪を縛っている。
でもクロの場合は、動物っぽさを出したくて髪を縛っている所がある。縛った部分を耳みたいに見せたくて。
【ケイ茶】なるほど。微妙な違いがあるんだね。
【R】違いで言えば、髪の色もそうかな。
アサギリ(一緒に行きましょう逝きましょう生きましょう)の時は無垢で何色にも染まる事を示したくて白にしたけど、雛菊は高潔さを出すための白。
神聖すぎて触れてはいけないもの、というイメージで色を決めた。
【ケイ茶】同じ白でも、色々なイメージで考えているわけだね。
【ケイ茶】あとはマフラーもいいよね。
【R】全体的にしっとりした話だからね。息の白さとか寒さを出したくて、マフラーをつける事になった。
【ケイ茶】基本的に作中のイベントスチルや立ち絵でもマフラーばかりだよね?
【R】大切にしているものだからね。
【ケイ茶】そうか。夏でも着けているの?
【R】信治があげたマフラーだからね。学校以外ではずっと着けているはず。
【ケイ茶】なるほど、凄いね。
【R】あとは隠し事をしているキャラにマフラーっていいよね。という考えもある。
口元や首がマフラーで隠れているのが好きかな。
あと、カップルと言えばマフラーという印象も。二人で巻いている感じも含めて冬っぽさかなと。
【R】プレゼントで言えば、「雛菊」を模した髪飾りも重要だね。
これも信治がくれたものだから大切にしているはず。
他の人は基本的に「名前の物を持っていると愛されるという」ジンクスで親からもらっているけど、雛菊は親からもらえていない。
【ケイ茶】そんなに愛されていないような家庭だっけ?
【R】本編ではそこまで深く描いていないけど、出会った頃の雛菊が泣いている理由とかで多少ほのめかしてはいるかな。
雛菊の両親はあまり良い両親ではないよ。子供の意志を軽視しているというか。
露骨に虐待とかしているわけじゃないんだけど、子供に対してデリカシーが無くて酷い親、という感じ。
母親も父親も、余計な一言を言ってしまうタイプ。
子供をからかう事をコミュニケーションだと思っている方で、泣く雛菊を見て「かわいい」と言って笑ったりする。
【ケイ茶】だから、雛菊はああいう性格になったわけだね。
【R】だから、信治に父親代わりを求めている所もあるかな。
根本的な部分では自分に自信がないから、出会い始めの頃は特に信治に執着しているところはあると思う。
そういう雛菊の不安定な部分を、信治がマフラーとか髪飾りで癒していった。
【ケイ茶】なるほど。それなら、貰った物は特に大切にしているだろうね。
◆シナリオで大変だったところ、上手く描けたところ
【ケイ茶】意外とこのシナリオも順調だったよね?
【R】そうだね。基本的には順調で、そこまで苦労したところは無いかな。
そもそも、この話を書いた時点ではまだ短編で終わる予定だったからね。
他の話とも繋がる予定が無くて、悲恋で終わる予定だった。
【ケイ茶】そう考えるとなかなか悲しい話だよね
【R】何個かエピソードを書くから、そのうち1つくらい悲恋で終わっても良いよね。という感覚で書いたはず。
他の話全体で考えたらハッピーだから、1つくらいはバッドエンドでもいいかな、と。
【ケイ茶】ハッピー? 1章を考えたらハッピーではないんじゃないの?
【R】個人的にはハッピーだと思っているよ。雅文とか。
【ケイ茶】いや、まぁ、雅文はまだいいとは思うんだけど……。
【R】ハッピーエンドのとらえ方の違いはあるのかな?
【ケイ茶】ちなみにそれぞれどういう考えで?
【R】脅迫恋愛はハッピーエンド。
単独結婚はハッピー寄り。
独身監獄はハッピーでもバッドでも無い、という印象かな。
最終的に主人公が後悔しているかどうかでバッドエンドの判断をしている。
【ケイ茶】なるほど……?
【R】とはいえ、主人公がわかりやすく幸せになるのがハッピーエンドだとは思っているよ。
そうなるのが気持ちの良い終わり方だとは思うし、なるべくはハッピーエンドを目指す気はある。
雛菊と信治の話も、最終的にはそうなったわけだからね。
【ケイ茶】連作になって良かった。本当に。
【ケイ茶】話を戻すと。悲恋として書いて、シナリオ的には上手くいったわけだね。
【R】あんまり悩んだ記憶は無いね。
全体はすぐに決まって、あとは細かい部分を調整したくらいだったと思う。
少し悩んだところとしては、この話だけはほぼ1日の出来事というところかな。
【ケイ茶】あー。そういえばそうだったね!
【R】全然時間が進んでいないけれど、いいのかな?と思う部分はあった。
他の話はヒロインとの出会いから入ったり、親しくなるところから入っているんだけど、この話はすでにそのあたりが終わっていて、初めから付き合っている。
【ケイ茶】たしかに特殊だよね。
【R】過去の回想シーンばかり入るから、退屈ではないかな? と悩んだ。
ただ、書き終わって音楽とかも入れたら、これで良かったと思えたかな。
雨の音と共に回想に入るイメージもお気に入り。
【ケイ茶】この話は雨のSEとかおとなしいBGMを流したりして、かなり雰囲気のある作りになったよね。
【R】そうだね。やっぱりシナリオとして自分が得意なのはこういう方面かな? と感じたものではあるかな、
書きやすかったし、雰囲気が気に入っている。
【ケイ茶】特にお気に入りのシーンとかはある?
【R】雛菊が自分で鐘を鳴らすところかな。
初稿だと、あそこは元々何も鳴らなかった。
もしかしたら鳴るかもしれない。と雛菊と信治が期待するんだけど、鳴らなくて。
特に雛菊がショックを受ける。という感じだったんだよね。
【ケイ茶】へー。でも、雛菊が「鳴らしちゃえ!」ってなったわけだ!
【R】そう。雛菊はそれぐらいでショックを受けて諦める性格じゃない気がして。
「鳴らないなら私が鳴らそう」って強さを見せるようになったんだよね。
【ケイ茶】強さと言っていいのかな? 子供らしさではなく?
【R】子供らしくいられるのも一種の強さかなと。
周囲がなんと言おうと、自分の中では鳴った! と胸を張れるのは、強さだと思う。
【ケイ茶】いいシーンだよね。
【R】あとは、初稿だと「結婚相手は誰なんだ?」って問いかけてくる黒伏もいなかった。
だから、最後のシーンは元々はアッサリ終わっていたんだよね。
短編で終わる予定だったから、茜というキャラも都合が良すぎる印象があった。
【ケイ茶】元々は茜の個別のシナリオがなかったんだね。
そもそも、雛菊シナリオに存在していなかった?
【R】たしか、初稿はいなかった。
だから、信治が処刑されるバッドエンドだったんだよね。
さすがにそれはあまりにも悲しすぎる。
「死んでも愛を貫く」と言えば聞こえはいいけど、気持ちとしてスッキリはしないし、昴と同じになってしまう。
【ケイ茶】たしかに。
【R】だから変えた。
信治には生き延びて欲しい。
じゃあ、信治が生き延びるためにはどうすれば良いのか? と考えた時に、茜というキャラが出てきた。
でも、この時点では茜はその場限りのキャラだった。
【ケイ茶】短編じゃなくなったからこそ、色々と繋がったわけだね!
【R】そうだね。
基本的な話の流れは初稿から大きくは変わってはいないんだけど、合間合間に茜が問いかけるシーンが入ったり、最後が変わったりした。
◆現実にいたとしたら?
【ケイ茶】現実だったら、普通に微笑ましく見守れそうかな?
【R】雛菊は普通にやっていけると思うよ。
幼すぎて、今の自分達が接するには抵抗があるけどね。
【ケイ茶】同級生だったら?
【R】ちょっと関わりにくいかな。
生真面目すぎて頑固なところはあるからね。
【ケイ茶】たしかに。融通はきかない方かな?
同級生として見ると大人びていて関わりにくい感じだよね。
【R】そうだね。
同級生としてだと、そういう印象を受けるかな。
大人になった今の状態だと子供に見えるけどね。
【ケイ茶】雛菊は背伸びしているだけだからね。
【R】普通の世界だったらもっと素直に甘えているだろうから、もう少し態度が和らいでいるかもしれないね。
そうだったら、もっと接しやすいと思う。
【ケイ茶】なるほど。
【R】普通にパフェを食べて「おいしい!」って言えていると思う。
それが出来ないのは結婚主義国家が悪い。
【ケイ茶】頑張らなきゃいけない子供になってしまったわけだね。
◆キャラのこだわり(企画やシナリオなどにおいて)

【ケイ茶】こだわりは?
【R】大人になろうとしているけれど、あくまでも子供。という部分は意識して描いたかな。
【ケイ茶】今までも話してきたところだけど、やっぱりそこなんだね。
【R】子供だからやっぱり出来ない事があるし、本人が思っている以上に力がないんだよね。
【ケイ茶】それでも、無理して頑張るんだけどね。
【R】ただ、頑張り方もやっぱり子供っぽいと思う
本人は冷静に判断して話しているつもりなんだけど、本当に冷静かというとそうでもない。
【ケイ茶】たしかに、最終的には勢いとか気持ち優先だよね。
【R】たとえば椿だったら、本当にこの結婚を認めさせるんだとしたらもう少し根回しすると思う。
結婚式に関わるスタッフを探し出して脅したりしそう。
雛菊はそんな事しないし、できない。
【ケイ茶】行動と考えが直球という事だね。
【R】子供だからわがままをいうけど、限界があるって自分で決めてしまっている所もあるんだよね。
子供じゃないと言いながらも、誰よりも子供という言葉に縛られている。
「私は子供だから、ここまでしかできない」という気持ちがある。
人脈もないし、出来る事が限られている。
唯一頼れるのが、雛菊から見て大人の茜。
【ケイ茶】たしかに。年齢制限の最後のところは茜に頼っているね。
【R】だから結局、茜にも迷惑をかけてしまっている。
もちろん、茜がそれを許しているからいいと思うけどね。
無力を感じて足掻くけれど、どうしようもできないのが良くも悪くも雛菊らしさだと思う。
とにかく精一杯で、真面目。
色々足掻くけど、最終的に人の道を外れるような事はしない。
ちゃんと信治の事を思って行動する。という部分は気を付けて描いたかな。
【ケイ茶】たしかに。どれも子供のワガママという範囲で収まっているね。
【R】「付き合って!」と言ったところは雛菊のワガママだけど、それで信治を苦しめた事もちゃんとわかっていて、自分でどうにかしようとする。
言った事は覆らないから、自分なりにできる対処法を考えるのが雛菊らしさだね。
【ケイ茶】自分でやった事の決着をつけるのはいいところだし、信念があるわけだね。
【R】そうだね。そこは変えなかった。
◆他のキャラともっと絡ませてみたかった・他作品のキャラと会ったとしたら?
【ケイ茶】結婚主義国家内では結構関わっている感じだよね。
そうなると、白黒コンビで(最悪なる災厄人間に捧ぐ)クロと関わってみたら面白い?
【R】性格としてはキナに似ている所があるから、同じような感じになるかな?
なつに、キナと一緒にからかわれそうな気がする。
【ケイ茶】普通にクロ達の中に入れそうだね。
【R】あとは、アーキタイプ・アーカディアに入った場合は……。
【ケイ茶】なんか、死にそうな気がするんだけど!
【R】そこは信治が頑張ってくれると思う。
【ケイ茶】ああー……。大変そうだなぁ。
雛菊は無茶して突っ込みそうだよね。
【R】そうだね。結構無茶すると思う。
でも、信治ならそこをフォローして生き残れると思う!
どこかに二人で隠れて上手くやりそう。
【ケイ茶】他の主人公とは?
【R】基本的には雛菊は臆病だから、だいたいの主人公に対して「あの人大丈夫そう? 怖くない?」ってなると思うんだよね。
アサギリ(一緒に行きましょう逝きましょう生きましょう)とかも、見たら怖がりそう。
【ケイ茶】大丈夫じゃない人の方が多いね。
【R】鏡夜の事も怖がると思う。
一緒に信治がいたら「弱虫な信治の代わりに私が見てきてあげる」と言って、近付きはすると思う。
でも、鏡夜が少しでも動いたらビクっとして信治の背中に隠れそう。
【ケイ茶】怖がりだ……。
【R】アレグロ(アーキタイプ・アーカディア)とも相性悪そうかな。やっぱり怖いと思う。
【ケイ茶】基本的に、他の人と話すタイプじゃないよね?
【R】そうだね。自分から人と関わっていくタイプじゃないから、誰が相手でも遠くから見ていそうな気がする。
基本的には他の誰がいたとしても、信治と仲良くしていると思うよ。
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