企画編59「印象的なシーンは強い~あのシーンはあの作品だ!と思わせる~」 第95回ウォーターフェニックス的「ノベルゲーム」のつくりかた

第95回 企画編59「印象的なシーンは強い~あのシーンはあの作品だ!をと思わせる~」
執筆者:企画担当 ケイ茶


ブログ用

他の会社さんや、個人のクリエイターがどうやってノベルゲームを作っているのかはわかりません。
ここに書かれているのは、あくまで私達「ウォーターフェニックス」的ノベルゲームのつくりかたです。

企画編一覧はコチラのページにまとめてあります。


ケイ茶です。
物語や作品において「印象的なシーン」って強いと思いませんか?

呪文「バルス」⇒崩壊

そうです「天空の城ラピュタ」のとあるシーンです。
シーンが強いのか、呪文が強いのか、もしくは両方なのか。

しかし、この「バルス」という呪文はネット上でも何度も話題になり(Twitterで一斉につぶやかれたりしてました)
「天空の城ラピュタ」という作品も素晴らしいのですが、それ以上に独立したものになっていると思うのです。

それほど、呪文+崩壊のシーンの印象が強かった。
という事だと思うのです。

この「バルス」に限らず、面白い物語の要素の一つとして「印象的なシーンがあるか、ないか」というのは非常に重要です。
例え作品のタイトルを忘れてしまっても、印象的なシーンがあったらどうでしょうか?

あれ、あの特徴的なシーンがあったあの作品て何だっけ?
と人に聞いた時に「ああ!それなら、あの作品だよね」
となるかもしれませんし、ネットで検索したら一発で画像が出てくるかもしれません。

このような、特徴的なシーンを作り出す事ができれば、その作品の大きな魅力になります。
それが他の作品にはない唯一無二のシーンであればなおさらです。

逆に、冒頭で人が死にまくる。
この辺りは、確かにインパクトはあります。

しかし、印象的なシーンか?その作品特有のものなのか?と聞かれたら、そうではないでしょう。
あれなんだっけ!あの冒頭で人が死にまくる作品。きっと人に聞いても、検索しても沢山出てきます。

埋もれてしまうのです。

では、印象的なシーンはどうやれば作れるのか?

先ほどの「冒頭で人が死にまくる」を「この作品でしかないシーン」にするにはどうすれば良いでしょうか?
例えば・・・(ちょっと考えてみます)

1.人が死にまくる中、シートを広げお弁当を食べている家族

2.人が死んだら、すぐにその人の元へ駆け寄り、同じようにその場で死ぬ少女

3.人が死んでいく中、死んだ人間をアイドルにしようと勧誘する幽霊

どうでしょうか?
ちょっとは、ただ人が死ぬ。という多くの作品と差別化が出来ているのではないでしょうか。

1の場合は非日常の中に日常を入れる事により、異常さが際立つかと思います。
2の場合は弊社作品のとあるキャラを思い浮かべましたが、人が死んだ所に駆け寄り、助けるのではなく、その人が死ぬ様をその場で体験するのです。
3の場合は、ちょっと私が考えた企画「デスドル!」(デスアイドルの略)なのですが、死んだものをアイドルとしてデビューさせる事を目的としてプロデューサーが人が死ぬ場所へ行き、
勧誘をしていく・・・。なんてシーンです。

印象的なシーンじゃない!
他にも同じような作品があった!
そう思った方、ごめんなさい・・・。それは私の企画が既存のものと被ってしまっただけかと思われます。

でも「ただ人が死ぬシーン」よりも、そのシーンに「自分の作品でしかあり得ない<何か>」を足すことによって、印象的なシーンが作れるのではないでしょうか?
という事なんです。

この<何か>は設定かもしれないし、特徴的なキャラクターかもしれない。
特徴的な事件なのかもしれません。

しかし、印象的なシーンを作るためには<異質な何が>があると作り易いと私は思っています。
まあ、これもやり過ぎると特徴的なシーンと言うより「ただの狂ったシーン。狂った作品」になってしまう可能性もありますので、難しいところです。

この狂った作品というのは、どこまで理解されるのか、狂っていれば良いのか。
難しいところもあります・・・。

という事で、次回は「狂った作品」について考えてみます。

 

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