企画編25「燃える展開をつくるには?」 第27回ウォーターフェニックス的「ノベルゲーム」のつくりかた
第27回 企画編25「燃える展開をつくるには?」
執筆者:企画担当 ケイ茶
他の会社さんや、個人のクリエイターがどうやってノベルゲームを作っているのかはわかりません。
ここに書かれているのは、あくまで私達「ウォーターフェニックス」的ノベルゲームのつくりかたです。
企画編一覧はコチラのページにまとめてあります。
ケイ茶です。
「うぉおおおおお!」
と主人公が燃え、最大のライバルとの激戦。
主人公の気持ちが燃え上がると共に、その主人公を応援しているプレイヤー(受け取り側)も燃えてきます。
さて、今回は「燃える展開」をどうやって作るのか?
私が燃える展開をどのようなパターンから考えているのか。
それについて書いてみようと思います!
「燃えるパターン1」~抑制された状態から反撃する~
キャラクター(主人公でもサブキャラでも)が何らかの抑制を受けていて、反撃が出来ない状況が長く続きます。
しかし、それがある時に抑制に対して主人公が反撃し、抑制の状況を乗り越える!
この展開に燃えます。
<具体例1>
主人公は格闘技のプロを目指す若き青年。
格闘技の全国大会に出場するが、初戦敗退。
その後も、練習を毎日かかさずに続けるが、それでも勝つことができない。
そんなある時、青年は運命的な出会いをし、恋に落ちる。
二人は仲良くなり、将来に結婚を誓う仲になるが、彼女の父が日本一の格闘家で、結婚の条件として父に勝つ事と言われてしまう主人公。
今まで勝つことができなかった主人公。
半ば、格闘家人生は諦めていたが、彼女と結婚し、仲良く暮らす。
そのためだけに、彼はもう一度格闘技を一から学び直し、彼女の父親であり日本一の格闘家と戦うため、全国大会を勝ち抜いていく。
<具体例2>
主人公は国のリーダーです。
国民は主人公の事を慕っています。
しかし、国としては小国で隣国にいつ攻め入られてもおかしくない状況。
主人公は悩んだ結果、国民を守るために隣国の言いなりになりながら政治を行います。
何年もその状態が続きます。
国民は他国の利益のために働き、それでいて生活環境は劣悪。
それを何とかしようとしたい主人公。しかし、今動いても国そのものがつぶされてしまうだけ。
そんな生活が更に続いた後、主人公は極秘に進めていた計画を実行し、隣国への戦いを決意する。
具体例1,2と書いてみたのですが、なんかぱっとしません。
あらすじだけを書いたからなのか、何かが足りないのか。
「燃える」展開を作るために、燃えるための下地を作ったのが上記のあらすじ。
これを実際に「燃える展開」にするには「シナリオ上でキャラクターが動く」これがないといけないのかもしれません。
ただ、パターン1として伝えたいのが「抑制された状態から反撃する」です。
特に長い間苛められていたり、上手くいかない状況が長く続くと説得力があがります。
そして、受け取り側も主人公がかわいそうだ、何とかならないの?と思うようになります。
そこで!
なんらかのキッカケを起こして、主人公たちが反撃するぞ!
となると、自然に頑張ってくれ!応援する!と
気持ちも燃えあがってきて、燃える展開へと繋がっていきます。
「燃えるパターン2」~主人公は大切なものを守るために、全力で戦う~
王道パターンと言えばこれ。
具体例としては、最愛の人が敵に狙われている。
その人を守るためなら、何度傷ついても、どんな状況になっても、ぼろぼろになっても立ちあがり戦い続ける。
主人公の大切なものへの愛が強ければ強い程、そして、主人公が何度いためつけられても不死身のごとく立ちあがって敵に向かっていく。
プレイヤーに「もう、お前ぼろぼろじゃないか! もう、諦めろよ! お前死んじゃうよ」
ここまで思わせたらシナリオの勝利です。
このパターンは本当に色々なもので使われています。
基本的には燃える展開は今回の具体例のように、友人や仲間、恋人等が危険にさらされて、それを主人公がぼろぼろになりながらも必死で守ろうとする。
ここから生まれてくるんじゃないかと私は思います。
大切なものの危険であれば危険であるほど、主人公がぼろぼろになればなるほど、応援したくなるってものじゃないですか?
頑張れ主人公!って燃えてくると思います。
「燃えるパターン3」~キャラクターが隠していた苦悩が明らかになる~
<具体例>
これまで敵対していたと思っていたライバルが、実は痛みにのたうちまわりながら主人公のために何かをしていた。
⇒主人公に敵対していたのは、ただ心配をかけたくなかったから強がっていただけ。
本当は、主人公の事が大好きで、主人公を助けるために本当の敵の弱点を一人で探っていた。 ※本当の敵のところへ一人で出向き、何度も死にそうになりながらも弱点を見つけようと戦い続けていた。等
ちょっと具体例が弱いですが、秘密を持っていて、それが明らかになる。
その秘密の内容が、誰かのため。
そうだったら燃えるんじゃないでしょうか?
「燃えるパターン4」~どう考えても勝てない相手、絶望的な状況で抗う~
これも私が好きなパターンです。
例えば、アリvs像。
1人vs全人類。
どう考えても勝てっこありません!
しかし、それでも弱者のはずなのに、圧倒的な強さの敵に挑む、その姿に燃えます。
更にその理由が、パターン2のように「大切なもの(人)を守るため」だったら燃えレベルがアップ!するはずです。
自分で書いておいてなんですが「燃える」展開って難しいです。
基本的には今回のパターンである程度は考えられると思いますが、無数にありますし、実際にキャラクターが動いて、シナリオになってこないとなかなか見えてきません。
企画段階では「これなら燃える展開になりそう」くらいの感覚なんですね。
そこを最初から出来上がりを想像して企画作れたらもっと良いのかな。と自分の反省点でもあります。
また、他にも燃える展開ってあるのか?
そう思ったら検索エンジンで「燃える展開」と検索してみてください。
様々な作品の燃える展開や具体例を見ることができて、勉強になると思います!
では次は「泣ける展開、切ない展開をつくるには?」
“企画編25「燃える展開をつくるには?」 第27回ウォーターフェニックス的「ノベルゲーム」のつくりかた” に対して1件のコメントがあります。