企画編26「泣ける、感動する展開を作るには<思い出>が大切!」 第28回ウォーターフェニックス的「ノベルゲーム」のつくりかた
第28回 企画編26「泣ける、感動する展開を作るには<思い出>が大切!」
執筆者:企画担当 ケイ茶
他の会社さんや、個人のクリエイターがどうやってノベルゲームを作っているのかはわかりません。
ここに書かれているのは、あくまで私達「ウォーターフェニックス」的ノベルゲームのつくりかたです。
企画編一覧はコチラのページにまとめてあります。
ケイ茶です。
今回は「泣ける、感動する、切ない」・・・このような展開を作るにはどうすれば良いのか。
私が使っている方法を紹介します。
といっても、私が使っているのはこれに関しては基本の一つだけだと思います!
それは
「泣ける展開」は何気ない日常の思い出の結果
主人公とヒロインの別れのシーン。
師匠と弟子の命をかけた対決シーン。
基本的に感動シーンというのは、何かとの決別であったり、別れである事が多いと思います。
この「別れ」を盛り上げるためには普段の「ありふれた日常」「何気ない日々」がとても大切なんです!
だって、そうじゃないですか?
思いでがあるから泣ける、のであって、出会った瞬間に死んでも泣けない!
冒頭で死体を転がせ。
という話は以前書いたと思いますが、これは感動させるためじゃありませんよね。
いきなり、主人公の親友という人物が冒頭で死んでも、恐怖やインパクトを与えることはできても「感動」はなかなか与えることができないと思います。
なぜなら、読者、プレイヤーにとってなじみのない人物(キャラクター)だから。
いくら、設定で主人公とその親友が仲良くしていても、それを読者、プレイヤーは知りません!
しかし、読者、プレイヤーが主人公と親友との関係性、普段の日常を知っていたとしたら、全く反応が変わってきます!
本当にささいな日常で良いんです。
「一緒に遊びに行った」「一緒に将来~になりたい!という話をした」「馬鹿な事をやった」・・・等。
このような日常のエピソードの積み重ねがキャラクターの魅力を伝え、読者、キャラクターがキャラクターに愛着を持ちます。
もちろん、よっぽどの悪行だと逆に悪い印象を与えてしまいますけどね。
そして、この何気ない日常をある時にひっくり返すのです!
定番中の定番の具体例を書いてみます!
主人公と親友は小学生の時からの仲良し。
何をするのも一緒、高校生の時までずっと同じ学校で、同じ通学路を通っていた。
しかし、親友がある時、病に倒れる。
病に倒れても苦しみながら学校に通う親友。
主人公のサポートも空しく、日々弱っていく親友の姿。
ついには、意識を失い、主人公の名前すら呼んでくれなくなる。
そして、苦しんだ末最後の最後に主人公の名前を呼んで「ありがとう」と言い残し、この世を去っていく。
泣きの定番である病気ものの物語です。
これも、元々は健康体で一緒に遊んでいた親友が、ある時から病気にかかり「長い闘病生活」という今までの日常が崩れた生活を行う。
ありふれた日常で愛着を持たせ、愛着を持たせた上でどん底に落とす。
これが「泣ける展開」への一番の近道かと思います。
作者からしてみたら、泣ける展開というのは「自らのキャラクターをどん底に落とす」行為なのです。
貴方も泣ける系の物語を読んだことがありますよね?
基本的にはこのパターンが大部分だと思うんですよ。
序盤は仲良く過ごして、日常シーンをたっぷりを見せておき
物語の中盤あたりで、その日常を破壊する。<病気だったり、事故だったり、関係性の悪化だったり>
そして、その結果、大切なものを失ってしまい泣く展開もあれば、逆に大切なものを取り戻して良い意味で泣く展開もあると思います。
ちょっと難しいのが「日常」と「非日常」のバランス
日常シーンは大切ですが、長すぎると長い!と思われてしまったり、退屈させてしまう可能性もあります。
かといって、描くのが足りなければ「非日常」そして「泣ける」シーンで泣かせることはできません。
このバランスは上手く身につけるしかないのかな?とは思います。
(私もこの感覚はまだ苦手かもしれません)
美少女ゲームはこのパターンのものが基本だと思うので、参考になるかと思います。
ヒロインとの日常⇒問題発生で一気に落とす⇒最後に泣かせにかかる。(泣きゲーの場合の定番パターン)
次回は「もしかしたら一番難しい? 笑わせる展開」
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