【ウォーターフェニックス作品キャラクター対談 第1回】『一緒に行きましょう逝きましょう生きましょう』【アサギリ】

■本連載について
今までのウォーターフェニックスの作品のキャラクターにスポットをあてて
企画担当のケイ茶とシナリオ・イラスト担当のRの対談を文字にしたものです。

不定期連載で日曜日に掲載していきます。

★注意
・「一緒に行きましょう逝きましょう生きましょう」本編についての重大なネタバレあり
・他のウォーターフェニックス作品のキャラについても、大きなネタバレではないものの(それぞれの作品の序盤でわかる程度の情報に)触れている部分があります

【ウォーターフェニックス作品キャラクター対談 第1回】
『一緒に行きましょう逝きましょう生きましょう』【アサギリ】

◆このキャラの性格のここが好き

【ケイ茶】アサギリの性格の好きなところは?
【R】無垢なところかな。素直で純粋で正直なところもいいよね。
【ケイ茶】最初は何も知らないところがいいよね。少しずつ色々な感情を知っていくところ。
【R】ただ、純粋だけど最初から頑固なんだよね。
【ケイ茶】確かに。話の中でもそれが重要だったよね。

【R】そもそも、本作は後々の作品と違って、キャラクターの過去とか設定をあまり考えずに企画がスタートしているんだよね
【ケイ茶】そうそう。最初は簡単な設定しか無かった気がする。
【R】そういう点ではかなり自由にキャラが動いたというのが印象的。
【ケイ茶】知らない間に勝手にキャラ性が出ていたよね。
【R】うん。だから最初はこんなにアサギリが『使命』を重視するキャラだとは思っていなかった。
シナリオ上で書いているうちに、こんなに『使命』を重視して頑固で動かないんだってわかった。それによって鏡夜が振り回されるキャラになっていった。
【ケイ茶】そう考えると丁度いい組み合わせになったよね。
【R】最初は2人とも、あんまりお互いに興味がないというか。
アサギリはアサギリで使命のためにやりたい事をやる。
鏡夜も同じ。自分の目的のためにアサギリに動いてもらう。
でもアサギリが動いてくれないから、色々関わるようになって変わっていく。
【ケイ茶】そうだよね。それが良かったよね。
【R】その結果(話の)最後が勝手に決まったというか。使命を重視するアサギリと、そんなアサギリを尊重する鏡夜だったら他の道を選ばないよね。って結果になったね。

◆キャラの見た目のここが好き

【ケイ茶】小さくて、全体的に白が目立つところが好きかな。
【R】最初から無垢なイメージが固まってて、白髪で白ワンピースは一瞬で決まったいたよね。
こういう、儚げで一瞬で折れてしまうような雰囲気。
今にも消えてしまいそうで、純粋。神秘的だけど、何色にも染まる感じを出したかった。
アサギリのイメージが決まったから、それに合わせて廃墟(背景イラスト)のイメージも決まった。
【ケイ茶】たしかに。メインビジュアルもアサギリに合わせて白い感じで統一されているよね。

【R】あと、個人的には髪の毛を切る前の方が好きなんだよね。髪型は。
【ケイ茶】でも、物語の最初ですぐに切っちゃうよね?
【R】そうなんだよ。元の髪型のほうがミステリアスで好きなんだけど、シナリオを書いていたら勝手に最初の方で切る流れになっちゃった。だからすぐ前髪がカットされちゃうんだよね。
【ケイ茶】もう少し髪の毛の長い期間があっても良かったんじゃ?
【R】うーん、でも話が勝手にそうなったから仕方ない。
最初のキャラデザの時も髪の長い方で描いていたかな。
前髪が長いと目が隠れていて好きなんだよね。

【ケイ茶】確かにそれはわかるかも。
【R】前髪ぱっつんも、キャラクターデザインとして決めたというよりも、本人(アサギリ)だったら整えないだろうって思って勝手にそうなったんだよね。
【ケイ茶】こだわりと言うより、キャラクターが勝手にそうした感じってことね?
【R】そうだね。例えばガーベラ(結婚主義国家)は前髪以外も水平に一直線なんだけど、あれは本人が整えているイメージ。
アサギリは前髪しかぱっつんじゃない。
それは、あくまでも顔が見えやすいように前髪を切ったからなんだよね。
鏡夜に言われたからという理由だけで切った。
【ケイ茶】へー、そういう意図があってのデザインだとは知らなかった。
【R】本当にアサギリはこだわらないから、最初は山の形のように左右から切ったような前髪も検討してみた。ただ、それだと髪の形で常に困り眉っぽく見える気もして今の形になった。
【ケイ茶】なるほどねぇ。でもやっぱり長い髪の毛も惜しいなぁ。ただ、前髪で目も隠れちゃうもんね。
【R】やっぱり髪を切るっていうのは重要だと思うんだよね。
今までを断ち切って、新たな自分になるというか。
前髪を横に分けるとかじゃ変化として足りない。切るのが大事だと思った。
【ケイ茶】たしかに。髪を切ったシーンから少しずつ変わっていくよね。服を着るのとかも含めて。

【R】あとは、髪の色に関しては(生前の)アサギリは、黒とか茶色とか金髪とか……。ハッキリは決まってないけど、少なくとも元々は白じゃなかったと思う。
【ケイ茶】あー、確かにそんな気がするよね。白は印象に残るよね。
【R】おそらく病気で白くなったか、復活する時に白くなったか。
元はもっと一般的にいる髪色のイメージかな。

【R】他には、アサギリの表情は単純に描きやすかったかな。
無感情から、わかりやすく徐々に感情が増えていくから。
【ケイ茶】そういえばアサギリの立ち絵パターンの制限がかなりあったよね。
ここの章では表情バターン〇番まで使っていい、次の章からは〇番まで使っていいよ。みたいに解禁されていく感じだった。
【R】そうなんだよね。最初の方はかなり、ぼーっとしているような表情しかなかったと思う。
初期は単調な表情しか作ってない。
【ケイ茶】スクリプト作業やっていたからそれはよくわかったなぁ。
ストーリー進行とともに徐々に増えていくのが楽しかったし、スクリプト作業のやりがいだったんだよね。

◆シナリオで大変だったところ、上手く描けたところ

【ケイ茶】シナリオで大変だったところとかは?
【R】大変だったところ……。アサギリのセリフはあまり悩んでいないんだよね。
全然考えていなかった割には勝手に話してくれた分は大きい。
【ケイ茶】じゃあ逆に、アサギリで大変じゃなかった部分は?
【R】鏡夜を鏡の前に置いていくところ。あそこは、アサギリが勝手に戻ってきた。
元々プロットで作っていたわけではなく、気付いたら何回も戻ってくることになっていた。

【ケイ茶】そもそも、この時はプロットは細かく作っていたんだっけ?
【R】最初の時点では「主人公が目覚めたら世界が滅んでいた」「途中で主人公は自身の真実を知る」「最後に主人公をヒロインの手で殺す」ぐらいの大雑把なプロット。

【ケイ茶】その後で、中プロットや小プロットを考えていた? それともそのまま勢いで書いていた?
【R】小プロットは一応考えたかな。
そもそも主人公の目的すら決まっていなかったから「多分最初は人を探すだろう」と。
そこから、「人を探すには具体的にどう探すのか」を考えていった。
【ケイ茶】なるほど。
【R】だから、最初の方の話では、まず「運んでもらう」っていうのが主人公にとっての目標になっている。
そこも、そもそも最初のイメージだと2人仲良く「一緒に旅しよっか!」みたいなイメージだったのが、実際に書いてみたら「あれ? アサギリが鏡夜を持って行ってくれないぞ?」ってなった。
【ケイ茶】そこはそもそもプロットに無かったんだけど、キャラが勝手に動き出したと。
【R】そうだね。シナリオで喋ってみると、アサギリはすぐ「ここまででいいですよね?」みたいに置いていこうとした。鏡夜に興味が無いから。
だから、そこを鏡夜が言いくるめる、説得するという感じで話が進んでいったかな。
【ケイ茶】という事は全体的にプロットは作ったんだけど、キャラが勝手に動いて臨機応変に変わっていったと。そんな感じのシナリオの作り方だったという事かな?
【R】そうだね。この作品に関しては漫画の週刊連載みたいなやり方だったかな。
【ケイ茶】というと?
【R】「毎日区切り良くシナリオを書いて見せる」というのを目標にしていたから、細かいプロットを作る時間がなかった。
どう書こうかっていうのはその日の最初に簡単なプロットを考えて、その日にすぐシナリオとして書く、と。
【ケイ茶】あー、確かにその当時はそんな感じで毎日読んでいたね。
【R】明日どんな話になるかはまだちょっとわからないけれど、とりあえず今日はこう。って感じで書いていた。
【ケイ茶】過去作の中で一番苦労しなかったシナリオだったかも?
【R】この話は物語設定のギミックとか複雑なものは用意しなくて、シンプルに「この二人だけの感情をどう描くのか?」という話だったから。深い事を考えずに書いていたかな。
【ケイ茶】なるほどね。実際にそれでうまくいったんだから、今作に関しては良い作り方だったという事か。
【R】楽しくはあったよね。
世界の事とかは置いておいて、二人の関係だけを描こう。っていうのが目的だったから。
その作り方で良かったのかな。
それ以降の作品は「もうちょっとこうしてみよう」とか「ここで設定を説明して……」とか色々考えながらやっているわけだから、もっとしっかりプロットを作る必要が出てる。
本作は(法人化後の)ウォーターフェニックス最初の作品として、勢いで書けて良かった気がする。

【ケイ茶】なるほどね。
【R】そういう作り方だからこそ、勝手にキャラが動いているっていうのはあるね。
【ケイ茶】逆に今はこの作り方はできる?
【R】多分もうできないかなー。
そもそもアサギリの設定が「死に続ける少女」「使命のために頑張る」という事からキャラ付けして動いていったから。何かしらの強い目的を持ったキャラじゃないとこの作り方はできないかな。

◆現実にいたとしたら?

【ケイ茶】じゃあ、アサギリが現実に居たら関わりたい?
自分としては関わりたいけど、使命は一緒にやりたくないって感じだね!
【R】同じく。死に続けているところを観ていられる精神はないかな。
【ケイ茶】平和な時だったら関わりたいけれど、使命はパスだね。
【R】平和な時だとしても、ちょっとこう……難しい相手だよね?
【ケイ茶】そう? 病弱だったりするところ?
【R】かわいいけれど、関わり方が難しいというか。
真面目過ぎて下手な事を言うとどこかに行ってしまうような感じがあるというか。
【ケイ茶】なかなか近付きにくいような感じ?
【R】そもそも何も知らない子供だから、(大人から見た立場として)接し方が難しいっていう問題かも。

【ケイ茶】じゃあ、自分も子供として会うっていうのが一番かな。
【R】子供として同じくらいの年齢なら、仲良くなれる気がするね。
【ケイ茶】大人としては難しいかもね
【R】どうやって良い保護者になるのか?みたいな話になってくると思う。
【ケイ茶】見守るくらいが一番かな。
【R】そうだね。そもそもアサギリが普通の社会にいるというのがあんまり想像できない。

【ケイ茶】アサギリのいる終末世界にいきなり、自分が行くっていうのも……嫌だしなぁ。
【R】まあ、その時点で厳しいよね。鏡夜のようにはなれない。
でも、仮にこの世界に行ったとしたら孤独には耐えられないから、やっぱりアサギリに話しかけるんじゃないかな?
【ケイ茶】そして、途中で置いて行かれると。
【R】その可能性は高いね。
【ケイ茶】難易度が高いなー
【R】その点ではそうだと思う。

◆キャラのこだわり(企画やシナリオなどにおいて)

【R】さっきも話したけど、表情を出さないようにするとか。小出しにするってところかな?
【ケイ茶】立ち絵やスクリプトの指示を含めてって事だね。
【R】キャラというか世界観に対しては、あんまり彩度が高い色を使わないようにしてる。
基本的に淡い色にしておいて、劇的なーー夕焼けみたいなシーンだけ強くするようにしていた。
【ケイ茶】なるほどね。キャラというよりは作品全体で意識していたと。
【R】うん。ここぞっていうシーンだけ色を強めにしている感じだね。
【ケイ茶】確かに、イラストが全体的にそんな感じか。
【R】そこは最初から意識している。

【ケイ茶】キャラと作品をあわせてイメージしていた感じだね。
【R】少し話はずれるけど、絵という点では鏡夜の視点からしか見れない視点にもしている。
【ケイ茶】あー。そういえばそれで若干、演出で苦労した記憶がある。
そこは鏡夜視点では厳しいから、その演出はNG。みたいなのがあった気がする。
【R】本当はもうちょっとダイナミックな構図にしたいけれど、ちょっと厳しいとかって制限はあった。

【R】キャラに関してのこだわりで言えば、やっぱり「使命をおろそかにしない」というところかな。
勝手にそうなっていった。
【ケイ茶】かなりの使命オタクというか、最初は使命の事しかほぼ言ってないよね。
【R】最初のプロット段階では「使命は放棄する」っていうエンディングもあったんだけどね。
【ケイ茶】いつの間にか消えていたよね?
【R】それにならなかったという事は、そういう事だよね。
やっぱり最終的に使命を諦めたらアサギリじゃない!ってなったから。
【ケイ茶】(シナリオを実際に見た時)「あれ? プロットと全然違うラストになってる!」って思った。
【R】今となってはそれでよかったかな。
【ケイ茶】だね。下手にそのルートがあるよりは、今の方がキャラの信念がわかるし、絶対にそっちの方が良かったと思う。
【R】そうだね。

◆他のキャラともっと絡ませてみたかった・他作品のキャラと会ったとしたら?

【ケイ茶】他のウォーターフェニックス作品のキャラと絡ませてみたいとか、ある?
【R】これはどうなんだろうね。状況が特殊だから難しいよね。
【ケイ茶】この世界に他のキャラいないし、特殊だからね。

【R】死に執着しているというか、死についてと考えたら「氷河」(ハッピールートを終わらせて)と絡ませたらどうか?っていうのはあるかな。
【ケイ茶】昔、そんなアイディアもあったよね。
おまけシナリオ作っても面白いんじゃない?的な。
【R】確かに。
「誰も救えなかった主人公」は「死に続ける少女」をみたらどうなるんだろう?ってね。
【ケイ茶】なかなか難しそうだね。
【R】そもそもアサギリの存在が「死」ってなんだろう?って思わせる。
【ケイ茶】葛藤する氷河くんが見れそうな気がするね。
そういう意味では一番相性が悪いのかも。
【R】そもそも、鏡夜以外の誰かだったら置いて行かれるんじゃない?

【ケイ茶】いや、でも雅文(結婚主義国家)だったらアサギリを見て最初は喜ぶんじゃない?
勝手に死んでくれそうだし。
【R】うーん。あれは、あの世界(結婚主義国家)の話だからこそで、世間の目があるからというのが重要なんだよね。
世間の目がないこの状況におかれたら、そもそも絶望するしかないんじゃない?
【ケイ茶】あー。この世界じゃ生きていけないか。
【R】孤独を楽しむかなぁ……?
いや、でも流石にここまでの孤独を楽しめるかは……。
いくら一人が好きとは言っても、それは趣味ができてこそな気がするからね。
【ケイ茶】しかも、アサギリに相手にされなくなる可能性も高いよね。
【R】体も動かないしね。
【ケイ茶】じゃあ無理すぎるかもね。
【R】いくら一人が好きでも趣味も楽しめないし、一人ぼっちで。
アサギリといたとしても……うーん。アサギリを利用しすぎてダメかもしれない。
【ケイ茶】そう考えると鏡夜は凄いというか、この世界における唯一の主人公だね。
パートナーって考えるとね。

【R】他のキャラだとアサギリとは無理な気がするなぁ。
豹馬(最悪なる災厄人間に捧ぐ)もクロ以外と関わるってイメージができないし。
クロとアサギリはどうだろう。
もしアサギリにクロが見えるとしたら、というのを前提で。
【ケイ茶】一緒に旅はできそうかな?
【R】そうだね。旅は出来るかもしれない。
【ケイ茶】子供クロか特定のクロなのかによりそうだけどね。
(豹馬と出会っていない場合の)基本のクロだったら相当おとなしいよね?
【R】そうだね。その場合だとお互いによそよそしくて、何も始まらない気がする。
クロの方はアサギリに関わろうとするだろうけど。
【ケイ茶】あんまり面白みがないかも?
【R】豹馬君がいない状態のクロだと、どうしても難しいね。
そのクロだとコミュニケーション能力が高いわけじゃないから。
どこかでアサギリに置いていかれそうな気もする。

【ケイ茶】それならルスト(アーキタイプ・アーカディア)は?
【R】ルストはいけそうな気がするけど、どうなんだろう?
使命を一緒に背負ってくれるとは思う。ただ、使命を止める方に必死になりそう。
というか、ルストがそのままのキャラで来るなら「あぁ、人類って滅んでますよね」ってなる。
【ケイ茶】たしかに、前提が鏡夜と違っている。何も驚かないよね。
【R】そもそも、ルストの目的は「生きている他の人を探そう」だから。
アサギリに会えたらその時点で達成しているんだよね。
【ケイ茶】物語が始まった瞬間に終わってしまう!
【R】っていう考え方もできるよね。
【ケイ茶】結論。鏡夜で良かったよね!って事かな。
【R】そうだね。やっぱり、鏡夜じゃなかったらアサギリとの旅は難しいと思う。

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