【ウォーターフェニックス作品キャラクター対談 第6回】『結婚主義国家』【誠也】
本連載について
今までのウォーターフェニックスの作品のキャラクターにスポットをあてて
企画担当のケイ茶とシナリオ・イラスト担当のRの対談を文字にしたものです。
不定期連載で日曜日に掲載していきます。
★注意
・「結婚主義国家」本編についての重大なネタバレあり
・他のウォーターフェニックス作品のキャラについても、大きなネタバレではないものの(それぞれの作品の序盤でわかる程度の情報に)触れている部分があります
【ウォーターフェニックス作品キャラクター対談 第6回】
『結婚主義国家』【誠也】

◆誠也の性格のここが好き
【ケイ茶】超ポジティブなところがいいね!
【R】一言で言うなら、利口ぶっていないところかな。
【ケイ茶】愛すべきアホキャラ?
【R】そうだね。素直なところも多いし、かわいげがあると思ってる。
自信があるように見せかけて、結局のところ自身が無い。とか。
ポジティブではあるけど、本当の意味でポジティブかというと、そうでもなくて。
楽観視しないと生きていけなかったというのがあったりとか。実は弱点が多いよね。
【ケイ茶】それをあまり見せないようにしている?
【R】見せないように、とも考えていないかな。完全に無意識。
【ケイ茶】なるほど。
【R】そういう素の部分が、椿の前だと自然に出てきてしまうという感じかな。
【ケイ茶】椿の前ではすべてをさらしてしまうと!!
【R】あとは……他人を害する気持ちがない。ところかな。
結果的に他人を傷つけている事はあるんだけど、完全に無自覚なところはまだ救いようがあると思う。
最初は人の心がわからないし、そういうところは駄目なんだけど、悪気は無い。
酷い事は言っているんだけど、それは善悪の区別がついていないわけで、悪ではない。
【ケイ茶】これで悪気があったら近寄りたくないよね。
【R】(悪気が無くても)近寄りたいか近寄りたくないかでいったら、近寄りたくないはないんだけど!
【ケイ茶】ま、まあ……たしかに? でも、悪い奴じゃないからね。
【R】そうだね。何度も言うけどかわいげはあると思う。
あんまりわかっていないだけで、人が死んだり苦しんだりしている事には素直に悲しんでいるから……。
ちゃんと教えればどこまでも良くなる素養があると思う。
【ケイ茶】感情豊かな子供を拾ってきました!みたいな話だね。
【R】そうだね。基本的な精神年齢としては、小学生くらいのイメージかな。
良くも悪くも純粋なところが嫌いにはなり切れない部分だと思う。
【ケイ茶】誠也の事をちゃんと知っていれば、そう思うかな。
【R】パッと見だけだと「ヤバイ人だ」ってなっちゃうからね。
【ケイ茶】まあね、ちょっと近付くには危険な感じがするよね。
【R】面白いキャラではあると思ってる。
【ケイ茶】こういうキャラがいると面白いよね。
◆誠也の見た目のここが好き

【ケイ茶】見た目だとどうかな? 見た目……。うーん。イケメン、だよね?
【R】わかりやすいイケメンとは思って描いていないかな。
整えたらイケメンになるかもしれないけど、ちょっといろいろ変だよね?という風にはしている。
だから、あのちょっと伸びた髪の毛が個人的にはお気に入りポイント。
【ケイ茶】アホ毛的な?
【R】そうだね。変なところを出したくて。
ただ、表情をしっかりして口を閉じて髪を整えたら、イケメンキャラになれる気はする。
【ケイ茶】それでも中身がそのままだとギャップが凄そうだね!
【R】表情としてはウインクが気に入っているかな。
【ケイ茶】それが若干ウザさを上げているよね。ウザキャラ感?
【R】そうだね。
カッコイイとかイケメンとか、女遊びが派手な軟派なキャラ、というよりは「なんかうざったいなぁ」と思わせたかった。
そこも含めて、全体的にキャラ性が出せたと思うし気に入っているよ。
手を広げて挨拶しているようなポーズとかも、けっこうお気に入り。
他の男性キャラは立ち絵パターンあんまりないんだけど、誠也だけ別パターンを用意しているんだよね。
【ケイ茶】たしかに。あのポーズもうざったさはあるね。
【R】男性キャラの中では表情パターンも多いと思う。
【ケイ茶】そういえば狐面まで付けているのか(立ち絵パターン)
【R】そうだね。シナリオを書いていたら、いつの間にか狐面まで付け始めた。


【ケイ茶】謎ポスターまであったんだっけ!(短編エクストラ集の)
泣きパターンもあるね。
【R】感情表現が豊かだからね。
【ケイ茶】泣きパターンあるキャラは少ないよね。
【R】男性キャラの泣き顔はあまり描かないからね。
他だとたぶん、洋一も泣いているね。
結局そこも含めて親子だね!ってなるんだけど。
【ケイ茶】似てるね。わかりやすく大泣きしているのは、この2人か。
【R】血を感じるね!
【ケイ茶】悲しい表情のキャラは多いけど、ここまで豊かに表現しているキャラは少ないね。
【R】やっぱり、「子供っぽさ」とか「素直さ」を出したかったからね。
元々は「脅迫恋愛」だけでしか出る事のないキャラだったから、顔とかは考えていなかった。
でも他の話と繋がる事が決まったから立ち絵が必要になって、シナリオを書いた後から顔を考えたかな。
シナリオだと本当に自由に喋るものだから、表情も豊かだろうな、と想像してパターンが増えていった。
◆誠也シナリオで大変だったところ、上手く描けたところ

【ケイ茶】椿の時と同じだけど、上手くいったんだったよね?
【R】基本的にはノリで書いたからね。
設定も最初の時点ではそんなに考えていない。
ナルシシストで子供っぽい。浮気性なキャラ。ぐらいのキャラクター設定だね。
【ケイ茶】しいて大変だったと言えば?
【R】これは椿の方でも言ったと思うんだけど、誠也が悪く見えないすぎないように気を遣ったかな。
【ケイ茶】アフターケアまで含めてね?
【R】そうだね。まぁ、クズなんだけど。駄目なんだけど! ダメ過ぎないように描くように気を付けたというか。
本当にダメなところが多くて、人としてどうなの? とは思うんだけど、ダメなところを愛せるようにしたかった。
「救いようが無い最低な人間」ではなくて、「ダメなところはあるけど、まぁちょっとは許せる人間」として描きたくて。
意識して、良いところもあるんだよっていう部分を描写した。
【ケイ茶】愛すべきアホとか愛すべきキャラにならないと、主人公的には厳しいもんね。
【R】最初の印象は悪いよね。どうしても。
ただ、雅文もそうなんだけど、今作のテーマ的にはダメな人間はやっぱり描きたかった。
あと個人的に、こういうキャラは好きなんだよね。人間らしいところが安心するというか。
【ケイ茶】ダメなところもいい、と。
【R】そうだね。
まぁ、誠也についてはダメっていうよりは、ただ子供なだけだよね。
考えが足りていないだけ。
だから、足りていない部分を椿に教えてもらったりして補ってもらえたら、ちゃんとわかってくれる。反省もできる。
【ケイ茶】その加減が大事だね。
【R】あと、シナリオの流れとして悩んだところはないんだけど、最初はあまりにもただ2人が漫才しているだけだったから少し危機を入れた。
「二股っていけないんだ!」って気が付くようになったりとか。
実際、他のキャラと比べるとまったく危機ではないんだけど。
【ケイ茶】平和だよねー。
【R】最後の方の「椿がいなくなっちゃうかもしれない」という流れとかも、最初はなかった。途中で追加した。
【ケイ茶】そこは確かに大きなピンチだね!
【R】最終的になにかしらの信念は見せてほしかったからね。
最後の決断は入れなきゃいけないと思って、「椿以外の人と結婚して生き延びる」事ができるとわかったうえで「それでも椿を自分で選ぶ」というのが必要だと思って入れたかな。
【ケイ茶】それが無いとやっぱりね!
【R】(誠也にとっての)危機的状況でも、椿をちゃんと自分で選ぶ。ということが大事。
【ケイ茶】それが出来たからこそ、「良かった良かった」で終わるんだよね。
【R】最初の時点では代わりの人が用意されるという話も無くて、ただただ椿に縋りつくという話になっていた。
【ケイ茶】そうだったのか。それは知らなかった。
【R】結婚主義国家自体が、最初のプロット時点では連作じゃなくて短編だったからね。
他の話との繋がりもないから、家族関係も決まっていなかった。
洋一の息子ですらなかった。
本当に、どこかのお金持ちの家の息子で浮気性。というキャラだった。
【ケイ茶】ほー、そうだったんだね。
【R】「他の結婚相手を用意しよう」というおじさんもいなくて、ただただ誠也と椿2人の中で「別れるか別れないか」という話だった。
【ケイ茶】今以上に小さな話だったんだね。他とのつながりも無くて。
【R】全体を見た時に、雅文とか洋一とか沙羅とかとの関わりが生まれて、こういう形に落ち着いた。
【ケイ茶】大きな話の流れの中に混ざっていったんだね。
【R】勝手に動いたといえば、「愛情試験」の時もそうだね。
そもそも「愛情試験」についても最後にノリと勢いで書いていったんだけど。
雅文から見た誠也が思った以上に面白かったね。
【ケイ茶】結構重要なポジションにいたよね。
【R】そう。雅文からしてみれば侮っていた存在が、少しだけとはいえ成長して変わっていく。
書いてみたら、それが面白いなと思った。
【ケイ茶】その後も何回か現れるよね。
【R】雅文に説教をするために来たりもしたね。
あれも勝手に誠也がやってきたね。
まぁ本人は説教のつもりはないんだけど、雅文にとっては痛い言葉だったという。真理を突かれる感じ。
本当に、最初の時点では全然そういう事は決めてなかったんだけど、上手く動いてくれた。
雅文が動くのをやめてしまった時に、「後押ししてくれる人はいないかな?」と考えたら誠也がいた。
【ケイ茶】ちょうど良かったんだね!(笑)
【R】誠也が描けたおかげで、桜も描きやすかったかな。
桜の「あんな従兄は嫌だ!」っていうところはかなりお気に入り。
【ケイ茶】嫌だ! って感じの事はたしかに言ってたね。
誠也、散々な言われようだったよね。
なんてかわいそうな誠也君!
【R】基本的には勝手に動いたし、まわりのキャラも勝手に反応して面白くなったかな、と思う。
死が関わってくるから暗い話とか真面目な話になりがちなんだけど、そういうところを緩和してくれるキャラクターとしてとても助かった。
深い事を考えないから思考も想像しやすくて、そこも描きやすかった。
【ケイ茶】結果的に面白く出来たよね。
【R】そう思うよ。
◆誠也が現実にいたとしたら?
【ケイ茶】あんまり積極的にはお近づきになりたくはないよね?
【R】関わりたくはないね!
そもそも他人の事をあまり見ていないキャラクターだから。
関わるのは難しい。
ただ、悪気があって騙したりはしないし、むしろ騙される方だろうから……見ていて心配にはなりそう。
【ケイ茶】助けたりしたら、意外と仲良くなれたり?
【R】仮に仲良くなったら……色々頼み事はされそうだね。
「ちょっとこれやっておいてくれないか」って言われそう。
【ケイ茶】断ると泣かれてしまう?
【R】たしかに。場合によっては泣かれるかもしれない。
たいした事のない内容なら、「じゃあ他の人に頼むよ」ってあっさりいくだろうけど。
どちらにしても、深く仲良くなるのは難しい気がするね。
【ケイ茶】椿と誠也のコンビは、他人が関わろうとすると難しいね!
【R】特に初期の誠也だったら、1人の人間として見てもらえないところはあるかな。
浅く関わる分にはそれぐらいでいいかもしれないけど、友人にはなれそうにない。
【ケイ茶】成長前だとねー
【R】遠くで噂を聞いていたら面白いかな、という感じかな。
【ケイ茶】このコンビに関してはそれが一番かもね。
勝手に漫才やっているからね。
【R】そうだね。
仕事の後輩だったりしたら、ちょっと扱いに困りそう。
【ケイ茶】まともに相手するのも放置するのも大変そう……。
【R】上司でも嫌かもしれない。
【ケイ茶】上司にはしたくないかな。
【R】たぶん、ミスしても怒ったりはしないだろうけど。
あっさり「あの話忘れてたよごめん」くらいのノリで重要な話をしてくるかも。
結果的にしわ寄せがこちらにきそう。
【ケイ茶】コントロールしないと駄目そうだね。
【R】そうだね。コントロールできないなら遠くから見ているのが一番だと思う。
◆誠也のキャラのこだわり(企画やシナリオなどにおいて)

【ケイ茶】誠也君のこだわりについて。
【R】さっきも少し話したけれど、クズだけど悪じゃないように気を付けたかな。
たとえば、最初の時点で何股もしているのは酷い。これはどう取り繕っても誠也が悪い。
だからすぐに振られて「ざまあみろ」って思える展開にしたりとか。
【ケイ茶】たしかに。初めて読んだ時、いけ好かない主人公だと思ったらすぐにフられて驚いた。
【R】あと大事なのは椿の存在だね。誠也があまり有利にならないように気を付けて書いた。
【ケイ茶】たしかに。誠也はすぐに不利な状況になってるね。
【R】悪い人じゃないし、悪気は無いんだけど、有利すぎると嫌なキャラには見えるから。
【ケイ茶】その位置だね。
【R】基本的には素直に応援できるキャラじゃないから、ちょっと不利な状況で「かわいそうだな」とか「ちょっとは応援できるかな」という立ち位置になるように気を付けた。
【ケイ茶】同情させる感じだね。
【R】第一印象が不誠実で好かれるタイプじゃないから、とにかく嫌われ過ぎないようにと。
椿がちょっと酷い事をするというか、からかうことで緩和させた部分があるかな。
【ケイ茶】相手が、椿じゃなくて普通の人だったら、そっちが可哀想に見えちゃうよね。
【R】そうだね。たとえば相手が小百合だったら可哀想だよ。小百合が!
【ケイ茶】あーーー。
【R】本気になった相手が、無自覚で何股もしていたとしたら……辛い。
【ケイ茶】たしかに。そうならなくて良かった。
【R】あとは、話全体としては暗くならないように気を付けた。
ちょっとしんみりはするんだけど、最後は明るく楽しく。
基本的には軽いノリで話を進める、というのは意識したところかな。
【ケイ茶】そのおかげで読みやすい話になったよね。
◆誠也を他のキャラともっと絡ませてみたかった・他作品のキャラと会ったとしたら?
【R】椿の時も言ったけど、アーキタイプ・アーカディア(の世界)では、椿とコンビで頑張って欲しいかな!
【ケイ茶】1人だとすぐに退場しそうだからね。
【R】あとは……なんだかんだいって、ウォーターフェニックス内の大体のキャラと関わる事はできると思うよ。
それぞれの話を聞いたら、誠也は号泣しそう。
【ケイ茶】あー。境遇が可哀想すぎて?
【R】クロ(最悪なる災厄人間に捧ぐ)の辛い過去とか聞いたら「わかる。孤独は辛い!」って号泣するだろうし。
アサギリ(一緒に行きましょう逝きましょう生きましょう)の死ぬところを見たら「なぜこんな理不尽な目に!」って泣くだろうし。
氷河(ハッピールートを終わらせて)の事でも号泣すると思う。
とにかく、基本的にウォーターフェニックスのキャラは暗い過去が多いから、どの話を聞いても共感して悲しんでくれると思う。
【ケイ茶】ただ、子供の時のクロには会ってほしくないかな。悪影響を及ぼす可能性が!
【R】たしかに。クロが変な事を覚えてしまいそう。
【ケイ茶】ルスト(アーキタイプ・アーカディア)と相性が良さそうだね!
【R】そうだね。ルスト自身も許容範囲が広いし、誠也の奇行も受け止めてくれると思う。
【ケイ茶】何だかんだ、誠也がいいヤツに思えてきた。
【R】そうだね。害はないし、害を与えるような強さもないからね。
【ケイ茶】そういう意味では、泣いて終わりそう。
【R】それはあるね。ただ、泣いてくれるだけで救われるキャラもいると思うよ。
【ケイ茶】他には?
【R】アルティア(アーキタイプ・アーカディア)と関われば、誠也の事も上手く扱ってくれると思う。
ただ、椿的にはちょっと嫌かもしれないね。
【ケイ茶】誠也をめぐっての戦いがおこりそう。
【R】そうだね。
どちらかというと、誠也の場合は下手なキャラに騙されないように気を付けた方が良さそう。
【ケイ茶】たとえば?
【R】アレグロ(アーキタイプ・アーカディア)は、絶対に利用するタイプ。
アレグロは、ルスト以外にはそんなに優しくないからね。
敵を倒すための囮に使われたりとかするんじゃないかな。
【ケイ茶】利用されて可哀想な誠也……。
【R】だから椿がしっかり見ていた方がいいと思うかな。
【ケイ茶】厳しい世界では、椿と一緒じゃないと大変な事になりそうだね。
【R】逆に、椿さえいれば基本的には大丈夫だと思うよ。
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