【ウォーターフェニックス作品キャラクター対談 第11回】『結婚主義国家』【すみれ】

本連載について
今までのウォーターフェニックスの作品のキャラクターにスポットをあてて
企画担当のケイ茶とシナリオ・イラスト担当のRの対談を文字にしたものです。

不定期連載で日曜日に掲載していきます。

★注意
・「結婚主義国家」本編についての重大なネタバレあり
・他のウォーターフェニックス作品のキャラについても、大きなネタバレではないものの(それぞれの作品の序盤でわかる程度の情報に)触れている部分があります

【ウォーターフェニックス作品キャラクター対談 第11回】
『結婚主義国家』【すみれ】

◆すみれの性格のここが好き


【ケイ茶】おおらかで安心できるキャラなんだけど、それでも言うところは言うし、行動する時は行動できる。
そんなメリハリがあるところが好きかな。
【R】そうだね。優しいし穏やかなんだけど、ちゃんと信念がある。
たとえば、雛菊が周りから浮いていた時にフォローしていたりするところが良いよね。
【ケイ茶】何気に作中でもお姉さん的だよね?
【R】まぁ雰囲気としてはそうなるのかな? 年齢としては人によって年上だったり年下だったりとバラバラだけど。
【ケイ茶】そういえば、直樹と年齢は同じなんだっけ?
【R】うん。一緒。
【ケイ茶】そうか。何となくすみれの方がお姉さんで上というイメージになっていた。
【R】精神的にはすみれの方が上だからね。
【ケイ茶】桔梗もお姉さん的なキャラだと思っているんだけど、桔梗とはまた関わり方が違うイメージ。
すみれの方が、より深く接してくれるような感じかな。
【R】雛菊にとっては関わりが深いよね。
喫茶店でもさりげなく見守ってくれていたりするから。
【ケイ茶】そういえば喫茶店でバイトしていたね。
【R】最初の時点ではすみれのバイト先についてはまるで考えていなかった。
ただ、雛菊の話を書く中であそこに誰かがいてほしいと思って。
そう考えた時に、自然とすみれが思い浮かんだ。
【ケイ茶】雛菊の話の時は軽く流してしまうけど、後で見るとちゃんとあそこにいてくれるんだよね。
それに、雛菊の事をすごく気遣っている。
【R】そうそう。雛菊と信治の様子をほほえましく見ているんだよね。
すみれにはそういうさりげない優しさがあると思う。同じように『優しい』タイプの茜より、もう少しわかりにくい感じかな。
皆の前に立って何かをする感じではないんだけど、後ろからそっと支えてくれる暖かさがある。
【ケイ茶】微笑みながら見守ってくれるんだよね。
【R】直樹に関しても、普通はもうちょっと嫌になってしまうと思うんだよ。
なんでこんなにハッキリしないの!とか。もっとしっかりして!と言いたい人は多いと思う。
でもそうすると直樹がますます委縮してしまう事がわかっているから、まずは安心させようとしてくれる。
【ケイ茶】かなり寛大な感じだね!
【R】そうだね。寛大だし一途。
本来、直樹にはもったいない相手だと思うよ。
【ケイ茶】もったいない!!(直樹可哀想)
【R】すみれの立場だったら、途中で直樹に呆れて「他の人と結婚したいな……」と思ってもおかしくないと思う。
親ぐるみの付き合いとはいえ、話せばわかってくれるだろうし。すみれ自身も密かに人気があるタイプだからね。
たぶん、すみれの友達の中には「直樹君以外の人にも目を向けてみたら?」とか「あんな人と結婚するのやめなよ」言う人もいたと思う。
【ケイ茶】そんな事が……。
【R】言われてもおかしくないと思う。二人の結婚や事情については、ある程度公言していただろうし。
約束された婚約。
親から決められているというプレッシャーもあるし、普通なら反発してもおかしくないはず。
【ケイ茶】それでも、直樹との婚約を続けた?
【R】そうだね。周りに何を言われても、すみれはちゃんと直樹を見て、自分の意志で直樹といる事を選んでいる。
【ケイ茶】だから上手くいくんだね。
【R】雛菊の時もそうなんだけど、すみれはとにかく他人の事をしっかりと見て、短所より長所を探せる人。
周りの言葉には惑わされない。
直樹の事も、「この人が私の夫になるんだ」という気持ちで純粋に見てきた。
最初は怖がっている様子を見て同情とか「守ってあげなきゃ」という気持ちから入っているんだけど。
すみれは、そんな風に考えている自分も好きなんだと思う。直樹が自分を見て安心してくれるところが嬉しい。という捉え方かな。
【ケイ茶】心が広いね。
【R】寛大すぎて直樹を甘やかしすぎている部分もあったから、この話では周りや直樹が頑張ってくれて良かったと思う。
【ケイ茶】色々な人が手伝ってくれる話だからね。人望があるよね。
【R】それだけ、すみれが優しいからだね。
すみれのさりげない優しさに助けられている人は多いと思う。
【ケイ茶】なるほどね。

◆すみれの見た目のここが好き


【R】見た目としては、髪の色が茶色なのは最初から確定していた。
安心させてくれる大地のようなイメージもあるし、現実でもよく見る髪色だから馴染みやすいかなと。
【ケイ茶】三つ編みも落ち着いた印象のため?
【R】そうだね。
ちょっと大人しい雰囲気を入れたくて、三つ編みにした。
あと、ヘアゴムにもすみれが付いているところはポイントかな。
直樹の家とも仲が良くて愛されている証拠。
【ケイ茶】たしかに愛されている感じはするね。満たされているから余裕があるというか。
表情パターンも穏やかなやつがメインだよね。
【R】そうだね。少しだけ照れているものがあるぐらい。
普段穏やかで余裕がありそうなキャラが少し照れる、というのが好みです。
あと、絵としては雛菊と戦っている所も好きかな。
【ケイ茶】対立しているシーンだね!
【R】普段はあまり対立する事が無いキャラだから。珍しいよね。
【ケイ茶】そういう一面も観られたのは凄くいいよね。
普段とのギャップも出ているし。
改めて、結婚主義国家は色んなタイプのキャラがいるね。
【R】いろんなキャラを出してみて自分が描ける範囲を増やしたい、試したいという気持ちがあったからね。
性格も見た目も色々なキャラが描けて楽しかった。

◆シナリオで大変だったところ、上手く描けたところ


【ケイ茶】このシナリオも大変だったんだよね?
【R】そうだね。
まぁ、すみれに苦労したというよりは直樹のせいなんだけど……。
【ケイ茶】3章は男性2人が厄介で苦労しているね(笑)
【R】すみれの性格は最初から決まっていたんだけど、そのせいですみれが優しすぎて動かなかった。
直樹が何を言っても「しょうがないね」と受け入れてくれて。ある意味共依存みたいな雰囲気が強すぎるというか、もはや母と息子になってしまっているというか……。
この話も、何度も描き直していているんだよね。
【ケイ茶】うん。この話も色々なパターンを何回も読んだ記憶がある。
【R】最初は2人だけの話だったから、もっとダラダラと、「どうしたら鐘がなるんだろう?」という話を続けていた。
でも、それだと話に進展がなくて退屈で。
だから、すみれ以外のキャラが出てきた。
この話を書き始めた頃には短編連作と決まっていたから、他のキャラが出しやすかった。
【ケイ茶】なるほど。たしかにこの話は他のキャラとの関わりが多いね。
【R】誰が出てきてくれるかな、と考えたら雛菊が動いてくれた。
元々、すみれと雛菊は同じ部活という事しか考えていなくて。
すみれが雛菊を助けていたというのは決まっていなかった。
でも、「雛菊が色々言われているとしたら、きっとすみれは動いてくれる」と思って。
更に、「雛菊は、そんな風に助けてくれたすみれのために動いてくれる」とも思った。
そこから、次々に他のキャラたちも出てきてくれた。
【ケイ茶】自然と増えていったんだね。
【R】そう。
たとえば、「すでに結婚した人の話が聞きたい」と思ったら椿が出てきてくれた。
そして椿が出たら聖也も出さないわけにはいかないというか。勝手に出てきた。
おじさんが結婚のビラを配りはじめたりね。
【ケイ茶】あそこはいいよね。お気に入り。
他にも、この話は色々な関係性の集合体って感じがするよね。
【R】そういうところはあるかな。
裏側の話も含めて、いろんなキャラが関わって色々言い合っていて。
色々悩んだ話だけど、最終的には書いていて楽しかった。

◆現実にいたとしたら?


【ケイ茶】すみれは目立たないけど、良い子だよね?
【R】良い子だよ。
いてくれると全体の緩和剤になると思う。
ギスギスしないというか。なんかあった時に「まあまあ」って言ってくれそう。
【ケイ茶】でも、たまに問題が起きた時はビシッ!と言ってくれそう!
【R】そうだね。
ふざけていたり、悪い事をしたらちゃんと「それはダメだよ」って言ってくれるからバランスを取ってくれると思う。
【ケイ茶】保護者的だね!
【R】同級生からしたら保護者に見えるかもしれないね。
でも、そういう人こそ大事だと思う。
さりげなく、みんなを穏やかな気持ちにさせてくれているはず。
目だって解決するというより、事前に問題が起こらないようにしてくれる感じ。
すみれが抜けたら人間関係が急にギスギスしたりとか、ありそう。
【ケイ茶】そういうトラブルを防いでくれているわけだね。
そう考えると、学校でも職場でも助かる存在だね。

◆キャラのこだわり(企画やシナリオなどにおいて)


【R】ここに関しては、あまりこだわりはないかもしれない。
シナリオは悩んだけど、すみれに関しては悩んでいないんだよね。
【ケイ茶】なるほど。すみれは最初から固まっていた、って話していたね。
【R】あえてこだわりというと……すみれの言動には少し気を付けているかな。
否定はしないように、とか。
【ケイ茶】厳しく言っても、ちゃんと受け入れる感じだね?
【R】そう。すみれは「ちょっと良くないよ」と思っても、その人自体は否定しない。
完全には嫌わない。
基本的に人間は良いものだと信じているから、意識して人の良いところを見付けようとする。
【ケイ茶】なるほどね。長所を見る事を重視しているわけだね!
【R】普通に考えたら直樹のやっている事とかにもっと怒っていいはず。
でも理由を見ようとする。
相手の理由を探ろうとする。
という部分は意識したかな?
【ケイ茶】良くできた子だ。
【R】それに関連すると、悪い言葉を使わないのもそうかな。
すみれが悪態ついているのは思い浮かばないし、個人的に見たくもない。
悪口とか言おうとしても、頑張って言っても失敗するみたいな。
たとえば「あ、足長すぎて椅子が低いと困りそうだね!」とか。
悪口の言い方がわからなくて、最終的に褒めてるんじゃない?って事しか言えないタイプだと思う。
【ケイ茶】とにかく悪意が無いんだね。
【R】そうだね。追い詰められて必要なら戦う事はできるんだけど、それでも悪意とか敵意はない。出さない。
やっぱり、どうしても直樹が読者から見てストレスを貯めるキャラだとわかっていたから、そこに更に印象悪いヒロインを出す気にはなれなかった。
【ケイ茶】このシナリオに関してはそうだよね。
【R】直樹でストレスを感じさせる分、すみれでは感じさせないように。と。
【ケイ茶】バランスを取ったわけだね!
【R】でも、それはそれで「なんですれみはこんなに良い子なのに、直樹はその良さもわからず……」となってしまったから、結局ストレスに繋がった気はしている。
【ケイ茶】あらら(笑)。難しいね!

◆他のキャラともっと絡ませてみたかった・他作品のキャラと会ったとしたら?


【ケイ茶】絡みは意外とあったよね?
【R】そうだね。みんなで直樹とすみれを助けよう、みたいな感じだったからね。
作中での関わりという意味では、すでにほぼ関わっているから、他で考えると……。
【ケイ茶】またアキアカで考えてみたら?
【R】うーん。
生き残れるかどうかは、半々くらいな気がするね。
【ケイ茶】半々くらいかー。
【R】元々の精神の落ち着きがあるし、仲間に恵まれる方だろうから、ある程度は生きていけると思うけど……。
アレグロみたいな相手と出会ったら勝てないと思う。
【ケイ茶】負けそうだね。
【R】そこまでしたたかなものはないから。多分利用される。
あと、騙される方かな。
【ケイ茶】確かに。直樹もセットでいたら、多分厳しいね。
【R】他で考えると、(「最悪なる災厄人間に捧ぐ」の)にゅーと似ているところはあるから、一緒に豹馬を癒すことは出来ると思う!
【ケイ茶】癒し担当としてはかなり良いよね。
悩みを持った方々の話を聞いてくれそう!
【R】そうだね。
ルストとも、一緒に花畑を見て穏やかにしていそう。
【ケイ茶】大きなことを成し遂げたりって感じじゃないけれど、心のよりどころにはなってくれそうな感じがする。
【R】厄介なキャラ相手でも……基本的には癒せそうかな?
アサギリの事も受け入れられるかもしれない。
【ケイ茶】ああ。いけそうな気がするね。
【R】さすがに、所見では「えっ?」ってなるし、怖がったりするだろうけど。
それでも、少しずつ理解しようとしてくれると思う。
鏡夜にも同情するだろうし。
【ケイ茶】「ハッピールートを終わらせて」だと?
【R】誰とでも大丈夫だろうね。
亜由乃とも普通に一緒にゲームやってくれる。
誰でも拒まないから、趣味も合わせてくれる。
ただ、その合わせ方も無理矢理じゃなくて。
相手が楽しんでいるものに興味を持って、本気で「これ面白いね!」って一緒に楽しんでくれると思う。
【ケイ茶】いいね。距離感が上手い感じがする。
【R】そうだね。
だからだいたいは上手くいくかな。

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